2010年1月14日

コンセルトヘボウ

オランダといえばアムステルダム、アムステルダムといえばコンセルトヘボウ。日本で有名な海外オケといえばウィーンフィル、ベルリンフィルあたりが二大巨頭ですが、私が一番好きなオケはこのアムステルダム、いやロイヤルコンセルトヘボウなのです。オケはめったに聴きに行かないのに、ここはたっかい高い日本公演も聴きに行きましたもの。

そういうわけで、この旅行にあたって諸々の準備に先駆けて調べたのはコンサートスケジュールでした。おーあるある、ベートーヴェンのVn協奏曲とシベリウスのTweede...2番かな?指揮は客演のテミルカーノフ。オランダでシベリウスというのもなんですが、月末の定期も演目はシベリウスのVn協奏曲ですから、1月のコンセルトヘボウはシベリウス月間なのかもしれません。ちなみに定期のメインはラフマニノフのTweedeだそうで、あーラフ2よりはシベ2の方がいいな。残席わずかでしたが、なんとか2席購入。

*****

さて、まずは下見、といってもホテルはホールの真裏ですから、出ればそこはコンセルトヘボウ楽屋口です。自転車いっぱい。

20100114a0.jpg(これは翌朝写真)

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日本にもあまた音楽ホールが存在しますが、さすがに格が違いますなあ。夕食をとる店を探していると、近くに楽譜屋を発見。

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せっかくなんだし何か買う楽譜なかったかな...あ、「わが祖国」のスコア、あれは輸入版しかなかったはず。日本で買うよりは安いかも。スコアコーナーを探してみると、2「モルダウ」と6「ブラニーク」がありました。店員さんに値段を聞いてみたところ、モルダウのスコアを店内のあちこちにあった機械にかざして「10ユーロだね」。ああこれはバーコード読み取り機だったのですか。よく分かりませんが、法外な値段ということはないでしょうし、お買い上げ。

お目当てのレストランは満席でしたが、少しはお腹に何か入れておかねば。お得意のスーパーにてハイネケン(ちゃんと5.5%のがありました)を買い、ホテルにて一眠りすることにしました。開演は20時15分ですからね。日本もこれぐらいの開演時間だと平日公演に行ける人が増えるでしょうに。

きっかり1時間後に目を覚まし、さあ行きましょう。まずはチケット引取りです。どうやら引換証と間違えて領収証を持ってきてしまったようですが、なんとか無事にチケット発券完了。ついでに当初行こうと思って買ってしまった月末公演のチケットも引き取り。はて、どうしましょうかね。

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チラシコーナーを覗いていると、たくさんのチラシの中にひときわ輝く冊子が。見れば2009-2011にかけて行われるマーラーチクルスのご案内です。行きたいなあ。

20100114t1.jpg←右が表紙

20100114t3.jpg ←曲ごとにユニーク解説

タダとは思えぬ豪華冊子、全部載せられないのが残念です。これとは別に今日のプログラムも購入しましたが、全てオランダ語。読めんよ!

オーバーを預けて(うっかりチケットを入れたまま渡してしまい、取り返しに行く羽目に)ホールに入ってみると...おぉぉ、段々畑のオーケストラ。私は一階席の最後方なのですが、オケそのものがかなり高い壇上にあるので見えない心配はなさそう。観客の方々は全体的にやはり年配のお金持ちが多いですね。チケット代も安くはないし、日本も似たような感じですが、少し違うのは、ここが何だかちょっとした社交場となっているらしきところでしょうか。席の離れた母と別れて座席に着きました。

時間になりました。拍手の先を見ると、階段を降りてくる指揮者とヴァイオリニストの姿が。うぉーカッコ良い~!(でも高齢指揮者には厳しいホールです)

〇ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団コンサート
指揮:Yuri Termirkanov

・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
Vn独奏:Vadim Repin
・シベリウス:交響曲第2番ニ長調

ベートーヴェンはCDを買って予習はしたんですが、あまり派手さがないわりに粗は目立ちやすいという古典の典型のような曲なんですよね。聞かせどころの少ないこの曲を選ぶところが凄いっちゃ凄いんですが、1楽章出だしのオーボエのまあウマいこと。そしてファゴットにこんな音が出るとはね。まるでホルンかと思いましたで。ただ吹くだけの楽器やないのね。「われもわれも」とがなりたてるわけでもなく、管楽器のセクションバランスがものすごくいいです。あと目に付いたのはコントラバスの異様なまでのカッコよさ。ホール効果もあるのかもしれませんが、凄い響きです。皆さんでかくてフレンチボウなので、まるでチェロを弾いているかのようでした。こんなに段差がついていると、弾く姿が良く見えて面白い。

ヴァイオリンのレーピンさんは3度の上昇下降形が少々不安なピッチだったかな。これを完璧にこなすのは至難の業でしょうが、1楽章終了後ちょっと観客がざわついたのは、そのあたりだったのかどうか。音は高音がきれいでしたねえ。ちなみに3楽章カデンツァはクライスラーのオール重音バージョン。これを練習し過ぎてほかの箇所をあんまりさらわなかったんじゃないかと疑うほどに、むちゃくちゃうまかったです。音も外さず、感動ほろり。つくづくヴァイオリンって難しい楽器よなあ。

休憩中、ドリンクバーを覗いたのち、母の席を観に行くと、なにやら両隣のご婦人方に話し掛けられたそうで、適当な返事をしつつ楽しんでいる模様です。やれやれ。

さてさて、メインのシベリウスです。オケの人数もぐっと増えました。

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いきなり冒頭の5音でハッとさせられまくり、つかみバッチリ。音が前に流れてます。ああ、指揮者の先生方がよく仰る「ベクトルのついた音」ってこういうことなのかと生まれて初めて実感。出た音というものは絶対に止まらず、後には帰らないのだ―と。

さきほどの管楽器はもちろんですが、弦楽器もまとまりようが凄いです。ヴァイオリンが上手いのは名門オケの必須条件で、もちろんここも例外なく素晴らしかったのですが(日本人もいらっしゃいました)、それだけじゃない、一介の弦楽器奏者に至るまで、全員の音に対する想像力、創造力そして責任感がケタ違いなんです。それだけオケにも自分にもプライドを持っておられるのでしょうし、その集合体だからこそオケとしての共通認識もしっかり築けるのだろうと感じました。

2楽章ではピチカートだけでこんなに音楽を、メロディーを語れるのかと驚愕。ピチカートに対する認識を改めました。こないだブラームスの1番をやった時、師匠にピチカートを物凄く注意された意味がまたここで分かりました(遅いよ)。もっと真剣に練習せなあかんね!しかしまあこんな良い音のピチカートがこれまた弦楽器全体でタイミング揃うって、一体どんな合わせ方してはるんやろか?

そしてここでも再びコントラバス、凄い迫力です。これぐらい上手かったら「チェロはコントラバスの上に乗っかる感じで」といつも言われる言葉も心底納得ですし、そう弾いてやってもいいです。つーか、チェロ要らんのちゃうかとさえ思ってしまいましたわ。ここのオケ、チェロも普通に上手いのに、他のパートがウマすぎる特A+++クラスなので、特Aクラスレベルではまるで下のようにさえ見えてしまいますね...かわいそうに(超余計なお世話)。しかし、弦楽器全員があの早いパッセージを完璧に弾き、そして合わせることって可能なんですねえ。わたしゃシベリウスの細かいパッセージなんて誤魔化すこと以外考えたことなかったですよ。低レベル感想でごめんなさい。

3楽章から4楽章にかけては、盛り上がりとダイナミクスのつけ方が面白かったです。曲全体の構成がしっかり頭に入ってて、なおかつ常に先を意識してないと無理だろうなと思わせる指揮と演奏でした。何度目かのテーマでとうとうクライマックスに達しても、弦の音が汚くなったり金管の音がへたったり割れたりなんかしないのです。ああ美しや。当たり前だと言われそうですが、プロオケでもシベ2の4楽章で金管が潰れるのは珍しくないですもん。技術だけじゃなく、気力も体力もないとつとまりません。

終演後はスタンディングオベーション。これは恒例のようですが、このメンバーでこの演奏だと、奏者ごとに一々挨拶する長々しいカーテンコールなどまるで不要です。全員がソロの自覚持って演奏してるんですから。実際、オケ全体に対する拍手が2,3回続いてあっさりとコンサートは終わりました。アンコールももちろん無し。いいねえ、理想です。

はたしてこれがシベリウス演奏としてふさわしいものだったのかどうかは分かりませんが、コンセルトヘボウサウンドは存分に味わってきた...と思います。

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そうそう、手元の余りチケットは母の発案により、母の隣席ご婦人'sに差し上げました。恐縮されながらも大そう喜ばれましたよ。別れ際には「Enjoy your journy!」と。そして終演後も結局レストランには入ることが出来ずでした。やっぱり予約しとかなきゃダメですね。まぁ明日からはベルギーなんだし・・・とはいえ痩せますわー。ビール飲んでちゃムリかもしれませんが。

 

お名残惜しく

コペンハーゲン行きの電車はお昼前ですから、その前にちょっくらお散歩&買い物を。

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町の中心を流れる川のほとり

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犬の足跡がいっぱい!

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そういえば、昨日、体育館の全景を撮るのを忘れてました。

スーパーでごちゃごちゃとお土産を買い求めた後、母が「布を買いたい」というのでインテリアのお店を覗きに。10時開店だったようですが、開けていただきまして申し訳ない。残りスウェーデンクローネを吐き出して、布(マリメッコ含)を3種類ばかり購入。はてさて、これにミシンをかける日は来るんでしょうか。

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Ängelholm駅

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さよなら〜

コペンハーゲン経由でアムステルダムに戻ります。

 

2010年1月13日

そしてÄngelholmへ

朝食をとっていると突然周りが停電。なかなか復旧しなかったのですが、ホテルも客も騒ぐでもなく落ち着いたものです。とはいえあまり暗いところで食べているのものなんですし、明るい隣の部屋へと移動。食べながら辺りを見渡すと、この部屋は調度品がものすごく可愛い。それにしてもなんてクリスマスの好きな国なんでしょう。もうこれは一大イベントという域を通り越して、一つの文化であり、冬の心のよりどころなんでしょうね。しかしブレーカー騒ぎのせいか、私の好きな酢漬けイワシが補充されなかったのは残念でした。楽しみにしてたのに。

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ガラスのオーナメントがキレイでした

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かわいいっしょ?

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椅子もほら・・・ボタン!

チェックアウトを済ませて駅へと向かい、お久しぶりの型の電車に乗り込みました。降車駅はÄngelholmですが、電車の行先はコペンハーゲン。そうか、前回スウェーデンに来た時、ベクショーからコペンハーゲンに向かったのもこの電車だったんだ。近くには寝台電車も止まっています。ああ、これにも乗ったなあ。あの時は夏真っ盛りでしたけど、やっぱり北欧は冬にも来ないとダメですね。

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手前から2つ目のチューブっぽい電車です

車内では今日もあちこちで「おしゃべりなたまごやき」状態が続きます。ここにきて母曰く「もしかしてスウェーデン語って文章に単語が多かったり長かったりするんちゃうの?」と新説を打ち立てました。はー、どうなんでしょう。特別単語が多大っちゅうことはないでしょうけど、日本語のように省略はしにくいのかもしれませんねえ。

今回はX2000ではありませんでしたので、車内インターネットもなく、何度も停車を繰り返しながらお昼前にÄngelholm駅に到着。なんともかわいい駅です。南に降りてきたせいか少し暖かいような気もします。地図を確認して歩き出そうとすると、バスを待っていたらしきお兄さんが近づいて来られ「May I help you?」ここのホテルに行きたいんだけど...と地図を見せると「OKOK、この道で合ってる。まっすぐ行って、ここで右ね」
この人に限らず、スウェーデンには親切な人が多いです。そういや飛行機で隣に座ってたインド人さんも「スウェーデンはほんとに良い国だよ」と言っておられましたね。「情けは人のためならず」私も日本に帰ったらもう少し親切になりましょう。

橋を越えて川を渡ると町のCENTRUM地域ですが、格別大きなショッピングセンターがあるでもなく、小さめの店がゆるりと続くスウェーデン版商店街といった感じです。平日昼間になぜこんなに人がいるのやら。夏場は川や海を中心としたリゾート地でもあるようで、中心部にはツーリストインフォメーションもあるのですが、冬場は当然川は凍り、静かな住宅地。このデカいスーツケースは浮きまくりです。

ホテル発見。お向かいには我らの味方?「SYSTEM BOLAGET(酒専売店)」の看板が。おぉよしよし。レセプションは二階とありますが、表玄関にロックがかかっていて入ることができません。ホテルインターホンを押してみましたが、シーンと無反応。まだチェックインには早い時間だとはいえ、ここで留め置きされるのは困ったなーと思っていると、中から住人が。ひとまず中に入ることができました。エレベーターで二階に上がってみると、レセプション窓口にはシャッターが下りたまま。いっそ書置きして荷物を置いていこうかしらなんて思い始めたころ、近くのドアが開いて寝起きっぽい顔の女性が顔を出しました。「チェックインは14時からよ」「荷物だけ預かってもらえるかしら」「もちろん」てなやり取り後、お隣のダイニングルームに荷物を置いて再び外へ。ひとまずこの荷物さえなければなんとでもなります。

毎日朝食だけはしっかり食べてますから、空腹ではなかったのですが、やっぱ寒いですしねえ。店を探しながら町をぶらぶら。愛しのスーパーマーケットも発見。明朝にはコペンハーゲンに経ちますから、スウェーデンは今日がラスト、となるとお土産類はここで買わないとね。下見を兼ねて入ってみると、全般的にストックホルムのスーパーよりお値段お手頃です。こちらのスーパーは手ぶらだとレジを抜けづらいので、リンゴンベリージャムと「カッレくんのキャビア(チューブ入りのタラコ、けっこう便利)」を1本購入。

「ここはヘアサロンが多いね」「ピザ屋も多いよ」なんてな会話を交わしながら、ようやくカフェをみつけて腰をおろしました。良く分からないままBAKED POTATIとかいうものを注文。ベイクドポテトが付け合わせで付いてくるのかと思いきや、その逆で、大きなベイクドポテトの中に具が入っているというものでした。しかも、中の具を2種類頼んだつもりが間違って伝わり、イモが二つ...デカい(20cmぐらいあります)

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母はビールを、私はシードルをお願いしたところ、カールスバーグは二種類あるようで、適当な方を指さすと、店員さんは「OK、Hofね?」・・・ん、今Hofって言いました!?慌てて「Hofダメ!EXPORTください!」ああ危ない。そして私のシードルはアルコール入りでした。アルコール抜きのシードルは普通にアップルサイダーでよかったのでしょうか。いやまあアルコール入りでも構わないのですが。

巨大イモと格闘してますと、早くも諦めモードの母は観察モードに入り、「ここはストックホルムに比べるとちょっと太った人が多いし、人種もいろいろやねー」と。都会と田舎の差といってしまえばそれまでですが、国境も近いですし、あとはやっぱり収入の差なんてのもあるのかもしれませんね。イモの方は相当頑張ってみたのですが、すべてを食べきることは出来ず、少し残して店を後にしました。

今日の試合のチラシ
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何のお店かはよく分かりませんが、ドアに貼ってありました。そういや今回の旅行中唯一見かけたチラシですな。

おっもう14時だ。SYSTEM BOLAGETでビールを物色してみると、TUBORGがありますね。デンマークに近いからかな。あと、ワインの商品説明に一々可愛い絵がついているのも発見しました。近くに絵の一覧表があったので、数えてみるとその数15種類。お肉だけでも鴨、豚、牛、羊、トナカイと4種類あります。一覧表を店内で撮影すると怪しまれそうなので、絵のついたカタログをもらってきました。
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EU加盟後は小売店でも酒の購入は可能ですから(ただしビールは低アルコールのものばかりでした)このシステムの有効性は今一つ分かりませんけど、この絵からすると、スウェーデンには密かになかなかの食文化と酒文化があるということなのでしょうか。スウェーデン料理の店はあまり見かけないんですけどね、寒いから外食が少ないのかなあ。

ホテルに戻ってチェックインを済ませ、部屋でのんびりとテレビを眺めていると、インテリア番組が流れ始めました。衣食住ではダントツで住への意識が高いとされるお国だけあって(デパートのインテリアコーナーも充実していますし、街の小さなお店でもセンスのいい商品が多いです)やることが半端ありません。テーマはお家のリフォームだったんですが、自力でそこまでやりますかということに驚くと同時に、女性スタッフの働きっぷりにも目が点。日本だったら絶対にその作業は男性だよなあということも女性がバリバリやってのけてます。こちらではどんな場所でも女性職員の割合が高いことは実感していましたけど、権利主張する以上、可能な限り同等の義務をこなすことが常識になってるんでしょうかね。現実問題、税率の高い国ですから共働きじゃなきゃキツいのかもしれませんが、たくさんの人が働き、たくさんの税を納めることは理想の一つのカタチではありますね。

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ここに来るまで知らなかったんですけど、住宅産業にちぃと関わっている母にとってスウェーデンハウスというのはちょっとしたライバルで、そしてそのスウェーデンハウスのコンセプトとは「家は窓から」であるらしいんですね。三重窓が防寒断熱(防音)の役割を果たしており、そのためには必然的に壁も厚くなり、窓際に物を置くスペースが生まれるんですと。なので?こちらの窓を見ていると楽しいです。そうそう、煙突(=暖炉があるということ)も必須。家には文化が詰まっているのですね。

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まだ夕方なのですが・・・眠い。どうも今回は時差ボケがきついのです。行きの飛行機はビジネスクラスも考え物ですな。機内では寝ない方がその後ラクな気がします・・・ひとねむり。

 

2010年1月12日

Ishockey

スウェーデンに来るにあたってはバレーボールと、そしてもう一つ観たいものがありました。それは・・・アイスホッケー!

出来ることならナショナルチーム戦あるいはÄngelholmのチームRögleさんの試合を見たかったんですが、リーグ日程を調べると、Rögleさんの試合は木曜日ですし、しかもこのRögleさんはEngelholm volleyさんと違って弱いらしい・・・ということはともかく、今回の旅程で私が観戦可能なのは、この日ここヨーテボリで行われる1試合だけだったのでした。Stockholmから水曜日の試合があるÄngelholmへは飛行機で行くことも可能ですが、電車で向かい、ヨーテボリ経由&一泊すればアイスホッケーも観戦できる!一石三鳥ではないですか(私にとっては)。

対戦カードはFrölunda HC - Brynäs IF、スタジアムはScandinavium、ホテルからも頑張れば歩ける距離です。トラムに乗るつもりですが、帰りは歩こうかな。

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「リンクは寒いらしいから、カイロをたくさん持っていったほうがいいよ」と、どこで仕入れたのやら分からぬ母の言葉にカイロを2つばかり持ち、じゃあねとホテルを後にしました。駅前でようやくやって来たトラムに乗り込むと、周囲のほとんどはアイスホッケー観客の模様。一体どこで乗車券を買えばいいのかとキョロキョロしてみましたが、まったくもって分からず、そうこうするうちにトラムはScandinaviumに到着してしまい、降りてみればトラムはさっさかと発車、はからずも無賃乗車となってしまったのでした(他にも同類がたくさん居そうでしたけど)。

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どこからこんなに人が?こないだのバレーの試合がウソのよう・・・なんてなことはさておき、入場券を買わねばなりません。ダフ屋っぽい人がたくさん居ますが、さすがにトルコの二の舞はしませんよ。とはいえ窓口に並び、イケメン兄さんに「どこの席がいいの?」と聞かれると、はてさて・・・まったく分かりません。初観戦でルールも知らないんですからね。悩んだ末「一番安い席を一枚ちょうだい」と、まるで子どものような返事をしておりました。100SEKというと、1,500円弱というところか。バレーが60SEKでしたから、まあそんなもんですかね。グッズ売場も覗いてみましたが、チームカラーが赤と緑、インディアン...どうもそそられませんでした。

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しかし、この席はどこなのでしょう。マッチデープログラムを買おうか悩みながら、配られていたスティックバルーンをもらい、そしてスタジアムの座席表を眺めてみましたが、やはり分からず。チームブースっぽいところに居た人を捕まえて聞いてみると「そこの入り口を入って右よ」とのこと。なんとざっくりな。絶対わからんだろうなと思いながら入り口近辺をうろうろしていると、ゲーム前アトラクションが終わり、スウェーデン国歌が始まってしまいました。おお、ひとまずその場で脱帽です。つかやっぱり国歌なのね。なにやらチームカラーの衣装を着たおじさんが朗々と歌っておられました。初スウェーデン国歌は良く分かりませんでしたが、きっとまたバンクーバー五輪で聴く機会があることでしょう。

さてさて、再び探索です。座っていたおじさんに再度確認。ああ、それは前だよと。さらにもう一人に確認した結果・・・あら、(ほぼ)最前列ですか。バレーと違ってホッケーの前列は良い席じゃないのね。

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見える景色はこんな感じ。ひとまず臨場感は凄いです。

Frölunda HC - Brynäs IF
(1-3)
0-1
1-1
0-1

ゲームが、ホッケーがどーのこーの言う以前に、目の前でガタイ良すぎる選手が前にも後ろにもスケートで自在に滑り(当たり前ですが)スティック振り回し、そしてガッツンガッツン体当たりするんですから、終始その迫力に押されっぱなしでした。「ホッケーはパックが見えないよ」と聞いてましたが、さすがに最前列だと見えることも多々ありました。でも、それを追ってるだけではゲームは掴めないんですよねー。選手も驚くほど大量にコロコロと入れ替わりますし、あんな交替方法でうっかり間違えちゃったりしないんでしょうか。プレーの良し悪しはよくわかりませんが、どうもホームFrölunda HCは拙攻が目立ちます。なので、BACKを務める#4Kristian Kudroc選手中心に観ることに。

攻めも守りもどこからともなくスーッスーッとラインが出来ていくのがカッコいいですね。キーパーがマスクを外すと顔ちっちゃ!パックはどこまで自在に操れるものなんだろう?審判さんはプレーを見るだけじゃなく、スケーティングも出来て、かつ衝突から身を守る敏捷さもなくちゃいけない。これまで見てきたスポーツの中では一番過酷だなー。だんだんと寒くなってきた足をカイロで温めながら、アホなことばかりを考え続けておりました。

第1ピリオド後、休憩が始まると整氷開始。そうか、休憩はそのための時間でもあるんですね。ツルンツルンになったリンクの上ではジュニアチームの紅白戦が行われました。女の子も混じってます。そういやこちらでは女子リーグもあるんですよね。思った以上にコンタクトスポーツですから、男子の試合の方が面白そうですけど。

そうこうするうちに第2ピリオド開始。ようやく1点を返し、得点シーンを見られただけでも今日来た甲斐はあったというものですが、喜んだのも束の間、追加点を入れられてしまいました。うーん、ゴール前展開を見てると勝ちそうな雰囲気がないなあ。第3ピリオド終盤、ダメ押しの1点を入れられたところで席を立つ人が続出しはじめましたので、私も席を立ちました。

今日の試合は中の下チーム同士の対戦ですが、これ、上位だとどれぐらい穴のない攻守を見せるんでしょうね。日本に帰ったらちょいと見てみなくては。

トラムは混んでいるのでしょうし、またも無賃乗車になってはイヤなので、地図通り歩いて帰ることに。しばらくすると昼間歩いた道に辿り着きましたので一安心。無事ホテルに戻ることができました。治安が良い国っていいですね。

そういえば今日のマッチデープログラムを買いそびれてしまい、ものすごーく後悔する羽目になりました。旅先で悩んだものは「買うべし」ですな。

 

港町Göteborg

予行演習通り、地下鉄にてStockholm中央駅へと向かいました。電車の時間まで少し時間がありますし、近くの市場を観に行くべく荷物をコインロッカーに入れることに。今度はちゃんと両替機で硬貨を作って投入してみましたが、どうにも上手く行きません。母が通りすがりのおじさんに尋ねたところ、老眼鏡を取り出したおじさんの説明を聞くうちに、これまた通りかかった係員らしき女性に「こっちよ!」と連れていかれました。たしかに「近日移転」とは書いてありましたけど、どうやら近日は今日であるらしき模様。

「近代的コインロッカー」
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ところがこのコインロッカーの使い方がよく分かりません。説明はスウェーデン語とデンマーク語しかなく(マニアックな!)、悩んでいる内に一回分(50SEK)を失ってしまう羽目に。えええ!ためしにデンマーク語をタッチしてみると、あら分かるじゃないですか。つかこれは英語では・・・?
無事に荷物を放り込み、1時間以内であれば乗り降り自由の地下鉄に乗って市場があるらしき場所へと向かいました。しばらくのち場所は見つけたのですが、店はほとんど出ておらず。冬はやっぱダメですか。預け損だったねーと言い合いながら徒歩で駅へと戻ったのでした。

「ストックホルム中央駅」
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指定の座席は逆向きでしたが、まあしょうがないね。では私はしばしPCを、母は別の席へと移って車窓から見える家々を熱心に眺めておりました。

途中、電車は雪のKatrineholm駅に停車
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X2000では申し込むとインターネットが使えます。今回は結局申し込まなかったんですけど、SJの画面には繋がるので

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「今、電車はKatrineholmに居るよ」と教えてくれてます。

3時間かかって電車はスウェーデン国を横断していきましたが、途中、吹雪を抜けていく中で遅れが生じたようで、アナウンスがしょっちゅう流れたんですが(もちろんswe語)、ペラペラと喋るわりにはどーも大した事を言っている気配がない(そういえば一昨日のKLMもそうでした)。そしてお喋りといえばですね、電車内でもあちこちでお喋りが飛び交っていたのですが、そのほとんどがケータイで、何をそんなに喋ることがあるのかというほどに、老若男女喋る喋るよく喋る。あんたらは「おしゃべりなたまごやき」か!と思うほどにです。スウェーデン人はおしゃべりなのでしょうか。いや、私も普通におしゃべりですが、どうもその範囲を越えた人が多いのですよ。

大騒ぎしたわりには大した遅れもなくGöteborg駅に到着。ストックホルムが日本でいうところの東京なら、ここヨーテボリは大阪なんて聞いてましたけど、もっともっとのどかです。地図を片手に一瞬迷いかけましたが、無事ホテルに到着。大き過ぎず小さ過ぎず良い感じです。あまり疲れもありませんでしたので、さっそく散策へと出かけました。道中なにやらテレビ撮影のクルーを発見。背中にはSVT(スウェーデン公営放送)の文字がありましたが、ドラマかな?

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「ヨーテボリ美術館」(横にコンサートホールも)

なんとも北欧っぽいというのか、ちょっと暗めの絵が多かったです。そもそもお目当ては併設のハッセルブラッドセンター(写真ギャラリー)だったんですが、これがなんと工事中で・・・しくしく。そう、ここヨーテボリにはあのハッセルブラッドの本社があるのですよ。楽しみにしてたのになあ。

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博物館からヨーテボリ市街を見渡す

仕方ない、じゃあ工芸博物館に行きましょう。あれ、ここは映画館?チェロの写真のポスターがあるなあとよくみれば「okuri-bito(おくりびと)」!なんとまあ、こんな所でお会いしようとは。工芸博物館に着き、チケットを買おうとすると様子が変です。人々がチケットを買わずにゾロゾロと入っていきます。もしや今日はタダ?

確かにタダだったようなんですが・・・物凄い人込みで、展示物をまったく見られない状況。こりゃムリだ。表に出て見ると「ヨーテボリ映画祭」の文字がありました。ああ、そういえばガイドにもそんなこと書いてあったっけか。どうやらこの建物でもイベントがあるようですね。さっきの「おくりびと」もその一環でしょうか。

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駅前に戻り、市場をふらりと覗いた後、もはや慣れ親しんだ感のあるAHLENSにてお惣菜のお買い物。

「変な夕食」
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左手前にあるクリームのはさまったお菓子っぽいやつ、これ、スウェーデン各地で見かけるもんで気になって買ってみたんですけど、パンもクリームも甘くないのですよ。下のパンにはアーモンドペーストが塗ってあり、パンとクリームにはシナモンじゃない、何か香辛料的なものも入ってて(カルダモンらしい)お菓子ともパンともつかぬ感じです。決してまずくはないんですが、変わった食べ物ですね(注*。
あ、スモークサーモンは普通に美味しかったですよ。

さて、私はそろそろ出かけなければ・・・。

注*)どうやらこれ、Semlaという季節限定のお菓子らしいです。わたしゃあちこちで「Fica」の文字を見かけるもんですから、Ficaという名前かと思ってたんですが、Ficaの意味は「お茶」、お茶のときに食べるお菓子ということのようですね。

 

2010年1月11日

In Stockholm

本日はストックホルム観光DAY。月曜なので私の好きな博物館や美術館はこぞってお休みですが、その手のものをあまり好まない母にとってはあまり関係がないことで、今日はショッピングをメインに街を歩くことにしました。

フロントに荷物を預け、第一関門の「キオスクでメトロチケット購入(駅の窓口よりも安く買える)」という課題を難なくクリアしたのち、向かった先は世界的にも有名なストックホルム市立図書館。前回ストックホルムに来た時には行けず、そして一度行ってみたかったのです。

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中に入ってみると、うわぁぁぁ・・・

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有名な、有名すぎる光景ですが、生で観るとやはり凄い。まさしく「知の殿堂」です。図書館の匂いは全世界共通でしたけどね。

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はい、私の今日の目的は終わりです。
次は(昨日に懲りて)今日泊まるホテルの場所を確認がてらガムラスタンを散策してみましょう。ゆるゆると歩くうちにホテルも発見。あの重たいスーツケースがあるわけですが、どうやって来ましょうかねぇ。旧市街自体は観光客向けですから買うものも見当たらず、高級デパートに行ってみたいという母のリクエストにお答えして市街に戻ることにしました。

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「武器博物館」(定休日)

ガイド片手になんとなく高級っぽいNKデパートに到着。昨日のホテルから目と鼻の先ではないですか。分かっていれば昨日行ったのに!と悔しそうな母でしたが、踏み入れるやいなや目を輝かせてあちこちを回っておりました。いいものもゲットできたようで、何よりでした。

「なんだこれ?」
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「献血車」でした。なんだかオシャレです。

ランチする店を探しながら明日のヨーテボリ行きの切符を買っておこうとStockholm駅窓口へ。国内路線なのになぜかパスポートの提示も求められ、発券された切符を見ると500SEKあまり。事前に買えていたらもっと安かったのになぁ。切符の説明をしようとした係員さんは「13日...あら間違えた。明日なんだから12日よね」再発券することとなりました。新しく提示された切符は今度こそ12日ですが、お値段が90SEKも高くなっています。一日違うだけでこんなにも?ここで文句を言っても始まりませんが、こりゃ明後日以降の切符も買っておかねば。急ぎメモを作成し、再び順番を待ちました。

次に当たった係員さんはチック症気味なのか、突然首を振るという動作を繰り返し、ただでさえ不安な私をさんざん怖がらせてくれましたが、チケットは無事発券されました。そうそう、ここの機械だと日本のカードも大丈夫なんですよね。外のクレジットカード専用機はダメなのに、何がどう違うのやら。どうにかしてほしいもんです。

チケットも手に入れたことですし、あらためてランチをと探しましたが、ちょうどいいところが見つからず、結局ファミレスっぽいステーキ屋さんで食べることに。母のお目当てはビールだけですから、ビールメニューを見ると、どうやらここはカールスバーグメインであるらしく、「Carsbarg export」という銘柄と、「Carsbarg hof」という銘柄の二種類があります。どう違うんでしょう。hofの方がほんの少し安かったので、二人ともhofを頼んだのですが、飲んでみたところ...マズイ。なんなんだ、hof!

メインのお肉はまあ普通でしたけど、ビールがね...残念な気持ちを抱えながら店を後にして歩いていますと、とある店が目に入りました。「SYSTEM BOLAGET 」・・・これは例の酒専売会社じゃないでしょうか!入ってみると、ワインから何から素晴らしい品揃え。スウェーデン産ビールもたくさん置いてありますよ。あまり買うと重たいので、手頃な感じのを4本ばかり購入してみました。美味しいといいのですが...。

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そろそろ荷物を持って移動しようかと昨日のホテルにいったん戻り、歩いて今日のホテルに向かうことにしたのですが、これが予想以上に難道中でして、まあスーツケースが運びにくいのなんの。小さい車輪が雪にからまって、しょっちゅう持ちあげねばならず、見る間に汗だくになりました。ああもう帽子も手袋もダウンコートも全部邪魔!ようやくホテルに到着した時にはもう気持ちが荒みきっておりました。重い荷物は人間関係を確実に悪くしますね。要注意。

さすがデラックスタイプのホテルだけあって、部屋はたいへん立派なものでしたが、しばらくは二人とも声もなくベッドでぐったり。あー、インターネットでもするかとフロントに電話でpasswordを確認するも、一向にacceptされないため仕方なく重い体を引きずってフロントへ。「つながらないのでもう一度教えて」と言いますと、そそくさと再発行されたレシートを手渡されたのでした。おおー繋がる繋がる。でも120SEK/1dayって高すぎじゃね?

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タオルのかかっているラックはスイッチを入れるとヒーターになるのでした

さっき買ってきたばかりのビールを飲んでみたところ、あー、ちょっちイマイチ。お米っぽい味だよね。母が「なんかビールになりきってない感じ」と言いえて妙なことを申しておりました。そうそう、そんな感じ。

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「スウェーデンビール」

とはいえアルコールも入って少し落ち着いてきたところでお出かけ(主目的はハイネケンを購入)することに。夜はホテル近くの店でスウェーデン料理を食べるつもりだったのですが、先程のステーキで思いのほかお腹がいっぱいになっており、まったく食べる気が起らず、そしてどうにも眠い。おやすみ・・・?えーーっ!

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「いつまで続くよクリスマス」

 

2010年1月10日

SWEDENへ

いよいよ旅の目的地へと出発の朝(オランダはあくまで経由地です)
朝食が売りのホテルに泊まったのに、朝食は8時開始とのこと。飛行機は10時なんですが、何があるか分かりませんからね。結局朝食を戴かずして去る羽目に。今朝の受付兄ちゃんは昨日と違っていい人でしたけど、トータルとしてはサイアクの部類の宿でしたわ。ホテル予約サイトに苦情入れとかなきゃ。

トラムに乗ろうと雪の吹きすさぶ暗い道をゴロゴロ荷物を運んでおりますと、横を通りかかったtaxiのお兄ちゃんが窓から「タクシー乗りなよ!」...乗っちゃえ。どうも正規ではないtaxiだったようですが、ボラられることもなく、あっさりさっくり着けたので、まあよし。旅先でもpositiveがモットーです。切符を買ってICに乗車しました。

アムステルダム中央駅
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東京駅の姉妹駅だそうで。

スキポール空港は人でごった返しており、各自KLM水色マシーンでチェックインさせられた後、手荷物預りの列に並ばされましたが、手続きは遅々として進まず、またも横でカリカリし始める人(=母)が現れました。眉間にしわ寄せて仁王立ちしてカウンターを見張ってても早くはならんてば。が、しばらく経つうちに列も進み、無に事荷物もお預け完了。さあ朝食でも食べましょう。セルフ形式の店にてビール&ハムチーズクロワッサンなぞを選び、レジを済ませようとすると、お姉さんが私の選んだ「Amstel」とかいうビールを指して、「これはノンアルコールだけどいいの?」と声をかけてくれました。えーとそれは困ります。慌てて取り替えて「Thank you」「Your welcome.Please enjoy!」昨日の店もそうでしたけど、こちらの人って何かと「Enjoy!」って言葉を口にしますね。日本だとあんまりないような。私が言うと「どんだけenjoyしたら気がすむねん」と突っ込まれそうですが...。

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ビールもクロワッサンもおいしく平らげて、いざ搭乗ゲートへ。母とは離れた座席だったのですが、それもそのはず小型機は見渡す限り隙なく満席です。しかし離陸時刻がどんどん迫り、どんどん過ぎても飛行機は飛ぶ気配がありません。天気予報を見つづけて覚悟はしていましたが、どうやら大雪で危惧通りの事態が起きているようです。頻繁に機内アナウンスが流れるのですが、大声かつ絡まる早口英語では時折単語(のようなもの)を聞き取るのが精一杯。ボーっとしていると隣席のインド人さん@クリスマス休暇帰りに話しかけられ続けるため、仕方なく睡眠を決め込みました。

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なにしろ腕時計無しの旅行です(結局どこでも買えずじまい)。機内ではケータイを見るわけにもいかず、お隣インド人さんの腕時計で時刻を盗み見ているうちに、飛びそうな気配が漂ってきました。飛び立つ前の飛行機にはKLM色の小型クレーンが近寄ってきて翼やエンジンの雪を掻いてくれるのです。

結局、飛行機は1時間10分ほど遅れて出発し、そしてストックホルムに到着。想定範囲内の遅れではありますが、急ぐに越したことはありません。そそくさとStockholm中央駅行きの空港直結アーランダエクスプレスに乗り込みました。道中やってきた検札のお姉さんは私と母のチケットを手に「Are you English OK?」あんまりOKじゃないけど...なんか間違いましたかね?

聞けばどうやら今日は日曜日。ホリデーチケットだと実質半額近くになるのだとか。そういえば券売機画面の下方にHOLIDAYの文字がありましたね。解決策としてお姉さんが提示した方法は、この場ではホリデーチケットを(お姉さんから)買い、ストックホルムのチケットオフィスで最初に買ったチケットを払い戻すというものでした。実のところストックホルムではあまり時間がないのですが、200SEK(3000円弱)の差は大きいので仕方ありません。親切に感謝です。
20分もかからずしてストックホルムに到着。チケットオフィスでちゃっちゃかクレジットカードに返金してもらい、ここからは母と別行動です。夜にはホテルで合流するんですが、母はバレーには興味がないものでね。海外でもその姿勢は変わりません。

キャリーケースを持って走っていると、コインロッカーが目に入りました。そうだ、ここに預けとけばいいんじゃん。荷物を放り込んでお金を入れようとすると、コインで50SEKの表示が。手持ちのコインは50SEKに足りず、両替機も見当たりません。しぶしぶキャリーケースを引っぱり出していると、母が横を通りかかりました。私が悪戦苦闘をする様を見て、「一緒に(ホテルに)持って行ってあげるわ」とありがたいお言葉。悪いなあと思いつつもお願いすることに。恩に着ます。

身軽になったところで急ぎクレジットカード専用券売機に走り込みました。本日の試合が行われるKatrineholmはStockholmのベッドタウンだそうで、ICだと1時間ほどで着くのですが、この往復チケット購入にトライするも、最終的にはカード決済でエラー発生!実は日本でこのSJ(=スウェーデン国鉄)インターネット予約を試みた時も、同じ現象が起きていたのですが、何がいかんのだろうかジャパニーズカード。事前に予約すればするほど安くなるシステムだというのに、この不便さは納得いきませんが、今それを叫んだところでどうしようもありません。電車の出発時刻までは5分足らず。駅員さんをつかまえて車内でチケットを買えないのかと尋ねてみましたが、「ダメ」の一言。チェッ!結局、番号札を取って切符売場(有人)に並ぶこととなり、X2000は走り去ってしまいました。なぜ現金を使える券売機がないのでしょう。しばらくして無事に次の電車と帰りの往復チケットを購入しましたが、割り切れない思いが残りました。

もうすぐ出発する電車の行先表示はノルウェーの首都Oslo。遠いとこまで行くのねえ。ちょいと心配になりましたが、検札のお姉さんは私のKatrineholm行の切符を見ても何も言わなかったので、大丈夫なのでしょう。車内でごそごそと書き物をしている間に電車はKatrineholmの駅に到着しました。

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寒いというか、空気が冷たい!現在時刻は15:40過ぎ、試合開始は16時。たしか車だと10分かからないはず。事前に調べた駅前地図にはタクシー乗り場がありましたが...そんなものが止まっていそうな気配は微塵もない冬の夕暮れ。目に入るのはバス乗り場でバスを待つおじいさん一人です。タクシーを呼ぼうにも電話番号は見当たらず、ちょっとばかり気持ちが切れそうになりましたが、何のためにここまで来たのかと気を取り直し、バス乗り場を探しました。次のバスが16:05に来ることは知ってましたからね。しょうがない、第1セットは諦めましょう。

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16時前でこの暗さ

いくつかあるバス乗り場の番号を見た結果、どうやら私が乗るべきバスは最初に目に入ったおじいさんと同じであることが判明。Duveshallenの文字が入った印刷を見せて、ここでいいのかと尋ねると「大丈夫、同じだ」...と仰ってるのでしょう。英語があまり通じない人だったのでした。しばらくしておじいさんはポケットからカードのようなものを出してきて「これは持ってるのか?」と。バスチケットでしょうか。事前に調べたスウェーデン版乗換案内には23SEKとありましたからね、きっちり小銭は用意してきてますよ。てなことを身振り手振り説明してみましたが、話が平行線を辿ります。しばらくしてお互いに諦めることとなりました。

ほどなくやって来たバスに乗り込んだところ、客は私とおじいさんの二人だけ。さっそく握りしめた23SEKを支払おうとすると、運転手のお兄さんは受け取ってくれません。またも「カードは?」「ここで買えないのか?」先程と同じやり取りが繰り返されました。どうやらこのカードは現金で買えず、そして現金でバスには乗れないようです。プライスレス?住民特権?福祉国家のやることは分かりません。困っていると運転手さんは「まあいい。とりあえず乗っていいから」と私を席に着かせ、交代でやって来たおじいさん運転手に軽く事情説明した後、二人でペラペラと世間話を始めました。よくわかりませんが、タダで乗れるってことでしょうか。もうなんでもいいや。これに乗ってりゃ体育館に着くことは確実なんですし、大人しくしてましょう。

予定時刻をちょいと過ぎてバスは出発。途中見かけた電光掲示板には「-8℃」の表記。もはや0度以下は全て同じ感覚ですが、確か数日前まではマイナス20℃近くまで下がっていたようですし、これぐらいでありがたいというところでしょうか。ボーッと車窓を眺めるうち視界に体育館らしきものが目に入り始めました。どうやらここは大きなスポーツセンターであるようです。5分余りで会場に到着しました。会場から出てくる親子連れなどもいて、まさか試合が終わったのかしらと緊張しながら体育館に入ると、あっここでしょうか。なんかバレーやってますよ。

あーれーはー・・・ムック選手だ!

ふらふらと会場に入ろうとすると、係のおじさんに止められました。

 

2010年1月 9日

出発

朝方バタバタと荷造りを済ませ、タクシーで空港へ。
成田行き(乗り継ぎ)カウンターは三連休のためか長蛇の列。ようやく順番が回ってきたと思ったら、これまた手続きに時間がかかることかかること...せっかちな母のクレーマーモードが発動しそうな気配でしたので、「あっちで待っとき」と声をかけようとした時、受付嬢がようやく声を発しました。

「お客様のお席をビジネスに変更させていただきました」

なんと!マジですか!あー余計なこと言わんでよかった。あとで母に「ほらね、旅行中は『短気は損気』ですよ」と言いきかせ。

2010010901.jpg 富士山!!幸先いいな。

成田到着。さて、腕時計に電池を入れてもらわねば。どこかに時計屋さんは・・・どこにもありません。はぅぅ、スキポールで時計買うかな。ラウンジにてビール少々。

そんなこんなで乗り込んだ人生初ビジネスクラスは快適そのものでした。ご飯は美味しいわ、座席はリクライニングききまくるわで、12時間のフライトがまったく苦にならず。それどころか音楽聴いてテトリスやって「南極料理人」を見終えると眠くなってしまい、楽しみにしていた「This is it」さえ見られずじまいだったのでした。隣の母は「いくらビジネスクラスだからって、こんな贅沢やってるからJALは潰れるんだ」などと怒っておりましたが。

2010010902.jpg 「リクライニング」

2010010903.jpg 「小鉢八つの肴」

2010010904.jpg 「ぼたん鍋共地味噌餡」

2010010905.jpg 「専用テレビ画面」

到着前の食事は注文制だったのですが、「せっかくなんやし食べてみいや」と横からちょっかいが入りましたので、ちりめん雑炊を美味しく食べてしばらくするうちに、あっさりとスキポール巨大空港に到着してしまいました。こんなに早く感じたフライトは初めてです。おそるべしビジネスクラス。

さて、どうやってホテルに行きましょう。オーソドックスな方法は国鉄でアムステルダム中央駅に向かい、そこからトラムに乗り換えるというものですが、母の荷物はデカく(だからスーツケースはやめようと言ったのに!)トラムの切符の買い方も良く分からない上、中央駅周辺は犯罪も多いと聞きます。結局はホテルまでシャトルバスを手配することに(←母が)。しかし、受付嬢に指示された場所に止まっていたのは怪しげなワゴンバス。よく分からないシステムと運転手にドキドキしつつも、15分後に私たちを乗せて出発したワゴンはアウトバーンか!というほどの恐ろしいスピードで無事ホテルに到着したのでした。

比較的順調に来た旅でしたが、実はオランダに入ってから今一ついいことがありません。雪でめちゃくちゃ寒いうえ、ホテルの部屋は最上階の4階。しかもただの4階ではありません。ココはオランダによくある(らしい)作りの建物でエレベーターというものがなく、唯一ある階段はというと、これが想像を絶する狭さかつ急勾配だったのです。しかもガリバーサイズの天井のせいか、段数がこれまた多い。

「衝撃の階段」
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コートを脱ぎ捨て、サブバッグを放り出し、ハアハア言いながらなんとか荷物を部屋に上げると、もはや動けず。着いてすぐ余裕があればゴッホ美術館に駆け込む予定でしたが、とてもとても。寒くて暗くて狭い部屋で二人ともしばらくベッドに崩れこんでしまったのでした。

飲み食いしますかと外出することにしたのは18時過ぎだったでしょうか。通りはそこそこにぎやかで飲食店もけっこうあるのですが、今ひとつ入る気が起こらない店ばかりです。行く前にオランダに住んでいた人から「オランダ料理の地位はヨーロッパの如何なる国よりも低く」「オランダ人は料理に限らず何事にも凝りません。故に一流品が極めて少ない」などと酷評メールをいただいてまして、その時は何もそこまで言わんでもと思っていたんですが、うろつき回るうち、ちょっと分かるかも...という気持ちになってまいりました。寒さは確実に人を弱めますね。

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運河凍りまくり

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街の大事な自転車屋

1時間ばかり寒空の下を歩き回ってもなお、難癖をつけまくる母曰く「酒場やん」、私には(イギリスによくある)パブにしか見えない、つまりは軽食が出て、お酒を飲める店に入りました。はぁやれやれです。

ひとまずビールを注文し、つけあわせにはやっぱりチーズですかね。元気で可愛いお姉さんに相談の結果、ゴーダチーズその他数種類のチーズ盛り合わせとバケット、そしてエンドウ豆のスープを注文しました。ビールはいくつかの店先で見かけた銘柄「PALM」を。店員さんは皆さん親切で、口々に「enjoy!」と声をかけてくれるのですが、あなたフランシー?あなたも?

運ばれてきたビールを飲むと、あら美味しい。この味はベルギービールっぽいけど、ここオランダだしな...グラスを見るとしっかり「Belgium」とか書いてありました。母がおかわりで注文したハイネケンも一口飲みましたけど、日本で飲むより断然美味しかったですよ。ビールを飲んだ途端、ちょっと元気になる親子。ビールは確実に人を幸せにしますね。

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チーズ盛り合わせとバケットが到着。特にチーズは日本では考えられないほどの豪華さです。ハードチーズが大好きな父と妹が居たら喜ぶだろうねと話しながら、バケットにトライ。パンが美味しくてマスタードを塗り塗りするとけっこうイケます。エンドウ豆のスープはまあまあ。熱さが最大の御馳走でした。

そうこうするうちに、店内は地元の若者たちで混み合い始めました。いい雰囲気だなーと微笑ましく眺めながら、硬いチーズをドギーパックにしてお店を後に。うわーまた一段と寒くなってきたよ...。

戻ったホテルの部屋は暖房がほとんど効いておらず、その日は寒い!眠い!を連発しながら冬山登山かのような夜を過ごすこととなったのでした。

 

2009年12月12日

てっぱく

JEWELSメインで旅行計画を立てたものの、Vリーグスケジュールを見れば、おや深谷で試合。遠いけど、行けない場所はありません。ならば・・・その前に、あそこへ行こうではないですか。というわけで、大宮宿泊。

やってきました「鉄道博物館
鉄道オタクではないですが、一度は来てみたかったのですよ。

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中にも入れるんです!

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いやもうシビれますわ・・・。

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やっぱり国鉄の看板はこれじゃなきゃ(JRの看板は好きじゃない)

ウチの母はこれで上京していたのかな。
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↓ ↓ ↓

私が小さい頃はコレでした。
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懐かしいなあ!
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鉄道員賄いメシ「ハチクロ弁当」(ビールがアサヒなのが惜しい)

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SL世代ではないはずなのに、汽笛の音に涙。何なんだろうなあ。

駆け足で回り、シミュレーション系はほとんど体験できずでしたけど、楽しかったです。これからもっとマニアックな博物館になることを期待しております。

タクシーで大宮氷川神社へ出向いてお参りをした後、深谷へと向かいました。今日は忙しいのだ!

 

2009年7月 4日

お日様ギラギラ

広島に行くにあたり、さて、観光はどうしようと地図を眺めながら・・・

「そうだ、江田島に行こう」

決めたはいいのですが、江田島に行くには広島港からフェリーに乗らねばならず、なんやかやと時間がかかるのです。目的はただ一つ「海軍兵学校跡を見学すること」ですから、なんとしても現地で行われる正規見学ツアーに参加せねばならないのですが、本日ラストの回は15時。そして電車とフェリーを乗り継いでの到着予定時刻はどんなに早く見積もっても14時50分過ぎ。HPには「受付は開始時刻の30分~10分前までにお済ませ下さい」とありまして、場所柄からいってものすごく「時間厳守」っぽいじゃないですか。門前払いを食らったら悲しいよなあと思いつつ、とにもかくにも向かうことにしました。

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広島市電「広島港(宇品)」駅

窓口で(江田島)小用港への切符を買おうとして、「小用」の読み方が分からないのに気付きました。しょうよう?こよう?「・・・ようのキップを1枚」「こようですね」
ここからは江田島や能美島へのフェリーが出てるんですが、能見島といえば、そう、栗原選手の故郷です。もっと離れた島のようなイメージでしたが、そう遠いとこじゃないんですね。

フェリー乗り場でお昼を食べようとしたところ、なぜかあるのは韓国料理屋さんとインド料理屋さん。なんでやねん。うどんをズルズル食べて、缶ビールを飲みながら乗船時刻を待ちました。

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むちゃくちゃ良い天気!

フェリーはつつがなく小用港に定刻到着。大急ぎで1台しか居なかったタクシーをつかまえて「海軍・・・」「ああ、術科学校ね」

門の側には制服を着たヒトが数人。どうやら見学受付は問題なく受け付けてくれるようです。住所氏名職業電話を記入した後、入館バッチをもらいました。はぁやれやれ・・・。
見学者控え室なる場所で待つように言われ、建物に向かうとけっこう人が居ます。まさに老若男女勢揃い。興味を持つヒトはたくさんいるんですね。なんかちょっと嬉しい。説明によると、この建物は自衛隊の生徒さんたちのレクリエーション施設なのだそうで、側には売店とレストランがあり、隊員さん向けに「ビール200円」なんてな張り紙が見えました。一番上の階にはビリヤードやシミュレーションゴルフがあるのだとか。

さて、いよいよ見学開始です。説明して下さるのは退官された方のようで、ところどころに軍隊口調が出てきます。現役時代は潜水艦に乗っておられたんだとか。佐賀のご出身だそうで、けっこう面白いヒトでした。

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「大講堂」

大正時代建築の建物で、冷暖房なし。冬は10度を下回り、夏は30度を超えるとのこと。

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壇上の卵は智恵の守り神ふくろうだそうで。

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天井のシャンデリア

続いては兵学校生徒館へ。こちらは日本のレンガ建物における西の雄なんですって。

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イギリス製の煉瓦を使用しており、明治時代の建築物ながら、いまだに壁はツルツルですよと。

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ツルツル(イギリス製)

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ガサガサ(日本製)

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素晴らしいアーチ

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この場所は秋から放映される「坂の上の雲」でも使用されるそうですが(美しいものねえ)、秋山真之の在籍当時、この建物はまだなかったそうで・・・はてさて。

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兵学校の正門はコチラ(←海)

入ってきた門はココでは裏門。卒業は正門から船に乗って・・・だそうです。
松の木がほとんどまっすぐなのも、ココのご自慢のひとつ。

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教育資料館

住友財閥からの寄付で建てられたそうで、昭和11年の建築。ここの見学が今回の目的でもありました。撮影はもちろん着帽も禁止。

入り口にはドドーンと東郷平八郎元帥の遺髪室が。おぉぉ・・・やっぱり軍神扱いなんでしょうか。
私は海軍びいきなんですが、その貧弱な知識のほとんどは阿川弘之さんと司馬遼太郎さんによるものですから、実際こうして資料を拝見してみて、いろいろ勉強になりました。広瀬武夫さんあたりは名前だけで、実はあんまり良く知りませんでしたし。扱いとしてはやっぱり山本五十六さんがデカかったですねえ。あと第六潜水艇の事故か。

じっくりじっくり見て回っていると、とてもではないですが時間が足りず、戦局がメタメタになって多くの方が犬死された辺りは駆け足観覧となってしまいました。靖国とかそういうイデオロギーは抜きに、こうした方々の存在を意識することはやっぱり必要なことやと思いますね。今後こうしたことをどうにか起こさないためにも・・・。

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「真珠湾攻撃に使われた特殊潜航艇」

売店でヤバくない程度のお買物をし、タクシーにてフェリー乗り場へと向かいました。

******

切符売場でふと横を見ると、アロハシャツ(えらいことステキな柄でした)を着たおじさん、さっきまで説明をしてくれていた方ではないですか。なんでも今から呉に飲みに行くんだそうで、手には「自衛隊潜水艦の歴史」なる冊子が。広島と呉で悩んでいると言いますと、呉の「大和ミュージアムは19時まで開館しとるで」とのこと(ガイドブックでは17時30分だった)。ほんじゃ呉に行きますか!

あっという間に呉到着。大急ぎで大和ミュージアムへ。
あらためて戦艦の大きさに驚きましたね。ぐるりと囲む駆逐艦やらなにやらの船列はそりゃ大変なものとなることでしょう。船上にはボートどころか飛行機まで載ってるんですからね。凄いけど、そりゃヤられちゃうわなーとも。だって目立って仕方ないでしょうし。いやいや、そんな単純なことではないんでしょうけど、結局、海では潜水艦メインになっちゃうんだろうなー。

しかし、潜水艇「回天」を見たときにはさすがに胸詰まりました。こんなもんに乗って片道切符の特攻だなんて・・・もうね・・・。開戦に至る経緯や戦局の悪化にはいろんな言い訳やなんかもあるんでしょうけど、やっぱりコレはないよ。

てつのくじらは回避して、そのまま鈍行で広島へ戻りました。
カープファン御用達の焼き鳥屋「野球鳥」さんにて、スライダー(生ビール)を飲み、本日はゲームセット。

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