2008年8月23日

愛陀仏

野田歌舞伎が上演されるということ以外は一切予習なしで歌舞伎座に出向きました。 駅の階段でチケットを取ってくれた後輩が歩いているのが目に入り、そのまま一緒に座席へ。

一幕目は「紅葉狩」
お姫様の登場時、「中村屋!」の声がかかりましたので、どちらかなと見てみれば顔がガッシリしてらっしゃる。勘太郎さんですね。踊りがメインの演目はともすると寝てしまうことが多いのですが、この作品は音モノが派手で、超絶技巧の三味線演奏なんかもあったりして寝る間もありませんでした。でもやっぱり今ひとつインパクトがなかったのは、私の無知のせいか役者の若さのせいか・・・。

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「幕の内弁当」@歌舞伎座食堂

質量ともに塩梅よく美味しかったですよ。

さて、後半はお目当ての「野田版愛陀姫」です。
なにしろ原作オペラのアイーダも知らなければ歌舞伎にも疎いときてますから、何とも比べようがなく、おかげで純粋に楽しむことができました。

とにかくアイーダを濃姫@戦国時代に置き換えるという発想が素晴らしかったですね。セリフも例によってグッと来るものがいくつかありました。松尾さんのセリフがボディーブローなら、野田さんのはさしずめ脳髄に沁みる脳内麻薬といったところですか。アタマが感動しまくってました。

野田版歌舞伎は録画、生を織り交ぜながら全て観ていますが、個人的には今回の愛陀姫が一番好きかも。勘三郎さんの濃姫が情念つまってて、ものすごく良かったんですよ。勘三郎さんは本来別の役を演じるはずだったのが、脚本を読んで「濃姫やりたい!」になっちゃったそうですが(←ワガママ放題ですな)本来は何役をやる予定だったんでしょう?愛陀姫はあり得ないし、木村駄目助ーあたりでしょうか。結果的には皆さん適役だったようにお見受けしました。

お芝居は濃姫×愛陀×駄目助を中心に進行するのですが、その中で実は大きく舵を取る役割を担ったのが偽祈祷師コンビ(福助&扇雀)。荏原と細毛という名前からして野田さんの意向が大きく表れているわけですが、福助さんの色気封印コミカル加減がたいそう絶妙でした。ワタクシご贔屓の七之助くんも頑張ってましたし、いろいろと見応え聞き応えがありましたわ。

そうそう、特筆すべきは音楽。トランペットが歌舞伎座で流れたのは初めてだったとのことですが、なかでも邦楽器演奏によるアイーダは良かったです。サントラ出してほしいぐらいに。ただ・・・ラストがマーラー5番のアダージェットというのだけはいただけませんでした。ここまでヴェルディ×和で来ておきながら、最後(=死)はマーラーってのはあまりに安易すぎますやん。風船演出とあいまって、これは心底ガッカリでした。

*****
終演後は後輩ちゃんと銀座ど真ん中でコーヒーなぞ。
も、値段から雰囲気まですべてが「銀座」なお店で目一杯楽しんできました。

いろいろとThanks so much!な一日でしたね。

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