2009年2月 1日

大久保さん吠える

本日のMVPは大久保コーチでしょう。
(ヒロインインタビューは平井アン選手)

Springs vs Airybees
(3-2)

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昨日の大荒れ天気とは打って変わってピーカンのもと、平らな道をてくてく歩いて会場かなくぼ体育館へ。ここには3年前、12V開幕戦で来ているはずなのですが、記憶にあるようなないような。あの時はワンジョ選手がスタメンで、ムック選手はまだピンチサーバーでしたが、たしか二人のサーブが炸裂してストレート勝利をおさめたんですよね。相手はくしくも本日と同じデンソーでした。懐かしいなー。

外見は立派ながらも座席の少ない(そりゃチケットも売り切れますわな)体育館に入り、コートを覗いて見ると、一人黙々と走っている選手の姿が目に入りました。
・・・よかった・・・ひとまずはホッとしました。前日の試合で腰を痛められたようだったので、むちゃくちゃ心配していたのです。

で、試合はといいますと、思いのほかデンソーペースで始まりました。
セッター転向一年目新人鈴木選手を守り立てようと、チームがまとまりつつあるデンソーに対し、Springsはといいますと、前日(というか4試合連続)フルセットの疲れが歴然です。得意の中央突破がコミット気味のデンソーブロックに捕まり、センター線が膠着状態に。ブロックも今ひとつ機能していません。第1セットを落としてしまいます。

第2セットに入り、サキさん→カナコさんにチェンジ。しかしこれまたチームとしてはあまり改善が見られず、コート内は混乱の様相さえ呈してきました。相手チームのサイドばかりかセンターまでをも活躍させ始めてしまいます。自滅まっしぐら。見所はムック選手がセンター真正面からツースパイクでブロックアウトを取ったことぐらいでしょうか。

最終盤は大差をつけられたところで、#1カズ→#18シュリ、#5ワンジョ→#16ユウコ、#8カナコ→#9アン、#17ムック→#13ルカと総取っ替え。私の前に居た女の子集団が「アンさ~ん!ルカさ~ん!」と叫んでいたところをみると、彼女たちはツクバーズなのかな?しかしルカ選手はいつものように淡々とトスを上げ、そして淡々と終了。んー、いくら逆転は難しいとはいえアピールのチャンスを無駄にするのは勿体無いと思うのですが・・・無欲なのですねきっと。

第3セット、メンバーを戻して#8→#9アン選手がスタートから入ります。センター攻撃で点を取ろうとしつつも、コート内はまだ浮き足状態。そんなとき、1stテクニカルタイムアウトの後だったでしょうか、大久保コーチの大声がコート全体に響き渡りました。

「見たこと、喋る!口、動かせ!」

応援席も一瞬シーンとなったほどの大声でした。その後も声掛けは続き、傍目には試合が大久保コーチの支配下で進んだかのような印象さえ受けました。学生バレーではよく見かける光景ですが、従来のSprings的ムードからはかけ離れた雰囲気です。しかしこの辺りからプレーがやっと落ち着きを見せ始め、それに伴って相手コートを良く見たプレーが出るようになってきました。

実は普段の試合では失礼ながら大久保さんの声はちょっとウルサイなーと思ってたんですけど、今日は有効でしたね。だってこの後明らかに連携ミスが減りましたもの。やっぱり声出しって大事なんだなーと改めて。是非ともこれは次回以降の試合にも繋げてほしいと切に願っております。ゲームは中盤にサイド陣奮迅プレーによって4連続得点(デンソーの#2矢野選手→#3福田選手の交代も大きかったのかな)。ムック選手もツーでダメ押し。なりふり構ってなどいられません。第3セットGET。よしよしよしよーし。

タイムアウトでは(川北)元コーチがローガン選手を笑わせます。そしてローガン選手も積極的に選手と笑顔交流。いいっすね。

第4セット、アン選手がアタックにブロックにと大活躍。ツクバーズな後輩ちゃんたちは大盛り上がりです。「アンさん!アンさん!アンさん!」その様子を見ているだけでも面白かったですよ。後輩に良いとこ見せられて良かったですねえ。

そしてローガン選手、豪腕としか言いようがないアタックが次々に繰り出されました。誰だよ「爆発力には欠ける」とか言ったヤツ(監督でしたっけ?)。やっぱ後半上がってきてこそエースですよな(ミユキキャプテンもこのタイプ)。今季見てきた中でも一番感動を覚えるスパイクの連続でした。

ブロックが安定してきたことにより、レシーブもきっちり返るようになりました。そういえばこのセットからでしょうか、ミスした選手が「今の(ミス)は自分の責任!」ってなジェスチャーを示すようになりましたね。ローガン選手も相手強烈スパイクを弾いてしまったとき「今のは私」というジェスチャーを見せていたのが印象的でした。てなわけでムード良し。さぁ、あと1セット!

既にフルセット慣れしてきた感のあるSpringsですが、第5セットではデンソーの反撃にあい、一時は7-11と4点差をつけられます。普通だったら諦めかねない点差ですが、いやあ・・・負けなかったですね。ムック選手は#9アン選手と#11ローガン選手にボールを集め、前衛が1点1点とブロックで点を重ねるうちに、とうとう#28ロンドン選手のバックアタックを#9アン選手がブロック!!12-12の同点に追いつきました。会場の(そして私の前のツクバーズの)どよめきっぷりは最高潮に。もう冷静になんざ見てられません。

#19コウキ選手の二段トスをローガン選手が決めて14点目、いよいよマッチポイント。ムック選手は迷うことなくローガン選手へトスを上げました。ガッチリとレフトからクロス15点目!勝ちましたあっ!!うううよかった・・・そして疲れた・・・。

周りの観客も、そして前のツクバーズも興奮のるつぼでしたよ。
「私もファンクラブに入ろうかなあ。で、バースデーカードは絶対アンさん!」

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冷静に考えますと、デンソーさんは正セッター抜き、リベロもおそらくセミファイナルからは櫻井エビ選手でしょうからね、そうそう喜んでばかりもいられないのですが、前節@佐賀はルカSpringsで敗北を喫していますから、まぁ今回はおあいこってなとこですか。

とはいうものの、怪我人だらけチーム状況を考えると、今日の勝利はやはり大きかったですね。2セットダウンから盛り返したチーム力もですが、なんといっても嬉しかったのはアン選手の活躍です。ここ最近試合中のセット間(アップ中)におけるアピールぶりが激しかったので、密かに期するところがあったのですが、予想以上お見事でした。顔つきも笑顔が減って少し精悍になられたかな。接戦を勝ち抜いた経験がいいキッカケとなりますように。

とにかく前へ前へと進むチームです。見とかなきゃ損ですぜ!

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