2009年11月 9日

つながり

風邪でもひいたのか体感温度がめまぐるしく変わり、朝から憂鬱だったのですが、お昼にカップヌードル(キムチ&チーズ)を食べて、さらに気分が悪くなってしまいました。普段カップヌードルは食べない派なのに、よりによってなぜ今日食べちゃったかな。てなわけで、本日はビールもお休み。

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買いたい本があり本屋に立ち寄ったのですが、「あったあった」と手にとって、何の気なしに背後のバレーボ−ル棚を一瞥したところ、思わず目を疑うようなタイトルが飛び込んできました。

ブラジルバレーを最強にした『人』と『システム』

なんだなんだ、このマニアックなタイトルは。著者を見れば米虫紀子さんとあります。うわー、ホンモノやないですか。中身をほとんど確認するまでもなく購入決定。帰りの電車でざざっと読み終えまして、もちろんまた読み返すつもりなのですが、内容の興味深さについて語る以前に、この本を書こうと決意された著者の気持ちと行動に心撃たれました。バレーボールを愛するライターさんが日本の現状を憂えるだけでなく、何が出来るかを考え、そして動かれたんですからね。これは凄いことですよ。

内容は特に指導者さんたちに読んでもらいたい本です。現在、日本バレー界が抱える一番大きな問題は競技人口の減少ではないかと薄々感じ始めているのですが、それを解決するためのヒントがこの本にはいくつかありました。既に実施されていることかもしれませんし、もちろんブラジルが日本の目指す全てではないですが、真似すべき内容は沢山あるのではないでしょうか。ただ、ごく一部をつまみ食いするようなやり方では「生兵法は大怪我の元」になる危険性も高そうです。ブラジル人指導者の来日もしくは、本腰入れたブラジル研修があるといいのですけどね。はー、こういう連載があるバレーボール雑誌を作れないもんかなあ。

そもそも今日買うつもりにしていた(そして買った)のは宇都宮徹壱さんの「フットボールの犬」という本なんですけど、これが偶然にも米虫さんと同じ東邦出版なんですね。やるなぁ東邦出版。こういうお仕事は全力応援したくなります。

追記)
米虫さんのブラジル取材に協力されたという吉村まゆみさん。たしか新日鉄時代からブレイザーズで通訳をされていた、あの吉村さんですよね。そういえば今年のSpringsの通訳さんは誰なんだろう。神園めぐみさんはパナだしなぁ。てなわけで、評判著しいVリーグサイトに久々お邪魔してみましたら、なんと今年のSprings通訳は吉村さんではないですか。ああびっくり。

ここ数年、ブレイザーズから人材を引っこ抜きつづけているSpringsですが、ブレイザーズの助っ人さんは去年に続いてカメルーンのエンダキ選手ですから、吉村さんについてはカドが立たないのかな。いずれにせよ、こりゃ強力な助っ人さんですね。

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エルモが登場したので、そろそろ打ち止めかと思ったら

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お気に入りキャラクターのカウント伯爵です。しかもGoogleを数字に見立ててる。上手いなあ。それにしてもこのシリーズはいつまで続くんでしょう。あと出てないのはカーミット(けっこう好き)ぐらいか。

 

2009年10月14日

鉱物繊維

「リボンの騎士」(1)(2)読了。
思いのほか一気読み。昨日のアトムよりストーリー性があるせいか、少女マンガにはあまり縁がない人間なのですが、面白かったです。衣装や設定も古典的なのに古臭さを感じませんし、むしろステキでさえありました。

 

2009年10月 6日

スマッシュヒット

気持ちがこうも落ちてきては、やっぱり本を読むしかないでしょう。

・滝田 務雄「田舎の刑事の趣味とお仕事」 (創元推理文庫)

もともとイギリス田園系推理小説大好きな人間ですから、タイトルからしてモロに好みの匂いがぷんぷんしていたんですが、諸事情が重なってなかなか大型書店に行けず、本日ようやく入手しました。創元推理文庫って小さい本屋には置いてないんですよね。

内容は主人公の刑事・黒川さんが、無能な部下・白石くんや掴み所のない奥さんに悩み怒りながら謎を解決していくというもの。最初の事件が本ワサビ泥棒というんですから脱力系ユーモア小説には違いないんですが、舞台設定と毒舌がツボにハマってしまい、短編集にも関わらず一気に読んでしまいました。

来月には続編も出るとのことで、楽しみ。

 

2009年9月 3日

音楽するココロ

読了本

・青柳いづみこ「モノ書きピアニストはお尻が痛い」文春文庫

前半の作曲家論は流し読みしていたのですが(後で読み返すと面白かったです)、後半のエッセイは読みやすくかつ読み応えがありました。日本における音楽教育環境としては最高級のものを享受された(と思われる)ピアニストでありながら、およそ日本的ピアニストとはかけ離れた思想の持ち主である青柳さんの文章を読むたび、いつも何かしら自由な気持ちになれますし、こういう方がいらっしゃることに希望を感じます。これは音楽関係の友人にまわそう。
「翼のはえた指」がUブックスに入ったようなので買わなきゃなー。演奏会が終わったら。


 

2009年8月24日

らんでぶ

耳の調子がよろしくないので、しばらく通勤時の音楽や在宅時のBGMを(練習を除いては)取り止めることに。あーストレスたまるなー。

というわけで帰りに読むものをと本屋へ。
店頭に例の話題沸騰マンガ「星守る犬」がズラリと並んでいましたが、犬が死ぬだけでも勘弁なのに、飼い主も死ぬ(ところから始まる)ときてはなあ。二の足踏みまくりです。そういえば公開中の映画「HACHI」は飼い主リチャード・ギアの声を北大路欣也さんが吹き替えておられるそうですが、今や北大路さんといえばソフトバンクのお父さん(犬)。吹替版を見た人は「HACHI」が喋っているような錯覚に陥ったそうな...。

まずは書評で気になっていた村松さんの市川雷蔵本を物色。しかし雷蔵映画を見ていない私がこれを単行本で購入するのはいかがなものかと保留。ブルックナーのスコアも音楽聴けなきゃ意味ないしなあ。久しぶりに「ダ・ヴィンチ」でも買いますかと尚もウロウロしていると、球技コーナーに男子バレーイヤーブックとやらが並んでいるのを発見。こないだ出たヤツの男子版ですね。

サラッと立ち読んだんですが、こっちの方が女子版の数倍面白いですやん。字数が多く(女子版にグラビア要素が求められるのは仕方ないとはいえ)内容も深い。見るとライターは米虫さんと市川さん、ああ女子版にも関わってほしかったな...。

「ダ・ヴィンチ」と関川夏央さんの新刊その他を購入して帰宅。武田百合子さんの「富士日記(上)」は母に進呈。

 

2009年7月23日

自問自答

祝「1984年」読了!

古典特有のとっつきにくさを越えてしまえば、あとはもう読みっぱなし。愉悦から恐怖への展開はひたすら冷酷で、作家の業とはこういうものなんだろうかというほどに、オーウェルの作家魂がビシビシと伝わってくる凄まじい小説でした。楽しみにしていたトマス・ピンチョンによる解説もこれまた期待を裏切らないどころか、これだけで作品になるんじゃないかというほどの素晴らしさでしたし、なんかエラいもん読んじゃったなあという感じ。政治小説?心理小説?推理小説?いや、もしかすると小説の枠組みを超えたモノなのかも。頭の中をいろんなコトバと思考が飛び交いまくり、軽い興奮状態に陥っています。

自由とは己に対して絶対的であること、なのかなぁ。

 

2009年7月14日

迷いなし

カバンを替えた時にうっかり携帯プレイヤーを入れ忘れてしまったので(頭の中はすっかり音楽モードになっていたのに!)昼休みに本屋でさくっと買い物。

LEE(ひさびさ深津さん表紙だったので)
ブルータス(鉄道特集かつブルートレインシール目当て)
DANCYU(麻婆豆腐特集。大好物なのです)
・佐藤亜紀「外人術―大蟻食の生活と意見欧州指南編」ちくま文庫(めずらしくエッセイしかも旅モノ)

LEEはですね、買おうとするとどれも表紙や裏表紙に折れが入ったものばかりで、キレイなものを探し出すのに5冊ぐらい抜き差しする羽目になりました。立ち読みは個人の自由ですが、なんで折れ線つけるかなー。「折れをつけない雑誌の読み方」をご教授させていただきたいものです。つか、立ち読みは正面の汚いヤツというのが基本ルールだろ。

帰り際の電車で「外人術」を熟読。きわめて愉快な旅行指南書ですが、時折痛快さが見える所がこれまた愉し。水平生活、か・・・ヨーロッパを旅される方はぜひご一読を。

 

2009年6月26日

行ったり来たり

寝不足というほどではないはずなのに眠くてたまらず、そしてそういう日に限って電車でも座れず。仕方がないので、あまり気が乗らないままに手持ちの本を読み始めたんですが、これがえらいこと面白い。眠るどころではなくなりました。

・広瀬正「マイナス・ゼロ」集英社文庫

昭和初期と戦後をタイムマシンで行き来するお話。タイムマシンに限らず時代・時空移動の小説はいくつもあるはずですが、純日本文学では意外と少ないのではないでしょうか。この作品は著者自身が生きた時代を描写されておられるだけに、その空気感がホンモノで、なんとも・・・いいです。
主人公が過去の世界でタイムマシンとはぐれてしまったところで駅に到着。ああ残念。

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上司も退社しましたし、さて我らも急がねばと、後輩と「いずみホール」へ。
一緒に遊ぶはおろか、飲んだことすらない(しかも口数がめっぽう少ない)後輩ちゃんですが、大昔にチェロを習っていたことがあるそうで、また習いたいという話を聞いてましたので、最初に誘うコンサートとしては室内楽はどうかとも思ったんですが、どうせ行くならやっぱり超一流に越したことはないですし、今ならボーナス後でお金がないってこともないでしょうからね。

〇タカーチ弦楽四重奏団コンサート
・ハイドン:「弦楽四重奏曲第82番ヘ長調 作品77-2」<雲がゆくまで待とう>
・バルトーク:「弦楽四重奏曲第2番 作品17」
(休憩)
・モーツァルト:弦楽四重奏曲第21番「プロシア王 第1番」

ロビーでウィーン音楽祭OSAKAのチケットを売っているのを見つけ、ピエール=ロラン・エマールのチケットを購入。ただでさえ気になっていたピアニストなのに、ドビュッシーのベルガマスク組曲にショパンのスケルツォを生で聴けるなんて、楽しみだなあ〜。ホクホクしてましたら後輩ちゃんに「即買いですね」と笑われました。

今回はギリギリで買った割にはセンター2列目という良席。これなら万が一1曲目が微妙でも楽しめるはず・・・なんて思ってたんですが、なんのことはなく、最初っからタカーチさんは全開でした。ああこの柔らかいベルベット・トーン。懐かしいなあ。暑苦しく主張する楽器など皆無のこの響き。いきなり涙出させんといてくださいよ。それにしてもハイドンにこんな良い曲があったなんて。や、多作な方ですから知らない曲がほとんどなんですが、これはぜひともCDを入手しなければ。
前に座った紳士が妙な頭の動きをしては私の視界を邪魔しまくることだけが残念でしたが、まあこれはどうしようもないですね。じっとしてろ!

2曲目のバルトークはただでさえ技巧的に難しそうなのに、このゆらめくような楕円のリズム。合わせるのも至難の業でしょうねえ。ときどきウワッと思うほど美しいメロディが飛び出してくる曲ですが、3楽章でついコックリ。

休憩を挟んでの3曲目モーツァルトはプロシア王1番、わりとソリスティックな曲ということもあってか、緊張感をはらんだ演奏でした。どんなに細かい音でもあの柔らかさが崩れないのは企業秘密なんでしょうけど、何か分からんものかなあと動きを凝視していて気付いたこと。全員左手の動きが物凄く柔らかいですね。普通に考えて柔らかさに直結しているのは右手(=弓)のはずですけど、あの左手の動きはよく見ると物凄く異様でしたよ。
あと、このカルテットって1stVnよりも2ndVnの方が上手ですね。おそらく性格的なことやなんかで、若い方の人が1stを務めておられ、実際それで上手く行ってるからいいんですが、そういうパターンもあるんだなあと。

アンコールは緊張の糸がほぐれ、堰を切ったように始まった「ラズモフスキー第3番」の4楽章。およそアンコールで弾くような曲ではないですが、モーツァルトを聴きながら「この人たちのベートーヴェンを聴きたいなあ」と思ってたところでしたんで、バッチリすぎるタイミングでした。カルテットの面々があまりに楽しそうに弾いてる姿に、音がピシピシとハマリ合いまくる愉快さに、思わず笑っちゃいました。こんなコンサートひさしぶりだー。後輩ちゃんも喜んでくれたようでなによりです。

駅で別れた後なんとなく飲み直したくなり、ふらりと天満へ。
その後何が起きたのかは・・・また来週。

 

2009年6月24日

凄腕

本屋でふと手にとった佐藤亜紀さんの「戦争の法」(文春文庫)を読了。

一億総なんたらではないですが、昨今の小説が総じてライトエッセイ化しつつある中で、これはなかなかに読み応えといいますか、噛み応えのあるホンでした。ややこしいとこは小骨ごと飲みくだすがごとき勢いで読みぬけましたが、読み手もそれぐらいの力を注いでこそ、結末で作者とともに掴み取る満足感があるのかもしれないですね。よくある女流机上ハードボイルドがてんでおかしくなっちゃうほどに、ゴツゴツとおもしろかったです。

続けさまに読む体力はないですが、どうやら新潮社との版権問題は文春で収まりがつきそうですし、ガンガン文春から文庫化してほしいですね。さて「天使」は読みかけたまま・・・どこに行ったかな。あるいはもう一度「バルタザールの遍歴」を読み直しますか。

 

2009年6月17日

最短距離

【読了本】
・渡辺明「頭脳勝負」ちくま新書

渡辺竜王による将棋案内書。
神戸市民にとって「棋士」といえば、何はともあれ谷川浩司さんなのでして、そらもうモノゴコロつく頃から耳にし続けてきたお名前です。んでからその次のメジャーどころと言えば、やはり羽生さんですよね。というところからすると、渡辺さんは若干地味な印象ですが、いや面白かったです。

ボードゲームとスポーツを同じ土俵で比べることは難しいけれど、その面白さの根源はやっぱり同じなんやろなー。あまりに本質を見抜けない己のバカ頭をどうにかしたいものだという気持ちから手に取った本ですが、歩み寄ろうとする努力は無駄になるのかどうか、はてさて。

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