2010年8月25日

ビフォーアフター

1週間も休んだため、さすがに仕事もたんまり溜まっていたのですが、そそくさと退社して楽器屋さんへ。

今回は弓の毛替だけでしたので、弓ケース代わりにプチプチをグルグル巻いて持ち込んだのですが、仕上がった弓は立派な紙箱に入って帰ってきました。「箱はまた使ってください」とのことでしたが、使うかなあ?

帰宅後さっそく松脂を塗り込んでチェロを弾いてみたところ、あれほど悩まされていたギコギコが劇的に改善しているではないですか。うわーこの音だよ、この音!私の楽器はこの業界では決してお高いものではないですが、中高音はきれいに響くので気に入っていたのです。

今回は引越前後の3〜5月にかけて弾きこんでいたので、早めに毛替した方がいいかなとは思ってたんですけど、まさかここまでとは…。この2ヶ月、いや3ヶ月?悩みまくったのはいったい何だったんでしょう。楽器買い替えも覚悟していたんですが、これでしばらくは楽器のせいにせずに済みそうです。

割れる度に湯せん再生して使い続けている松脂も大丈夫のようで、これまたやれやれ。

 

2010年7月 8日

己のキャパシティを自覚すれば「ありえない」話なんですが、諸事情あって7月末に向けてもう一つ、今度はフルートカルテットを組むことになってしまい、今晩はその初練習でありました。

オケの数少ない同期(フルート)を誘っての企画だったのですが、いやー上手いなー。素で聞き惚れてしまいました。確かにこれなら「お金払ってでも聴きたい」という、某管楽器吹きさんの言葉もわかります。ぐずる子どもをあやしながら、あの音を出せるって、ああやっぱり実力と努力が違う!

とにかく少しでも足引っ張らんようにせにゃ!と力んではみたものの、そもそも練習不足なところにもって、昼休みに会社で張り替えたばかりの弦が安定せず、結果的には足を引っ張りまくってしまい、今日もまた後悔の夜だったのでありました。

なんか最近こんなのばっかだな。

 

2010年6月26日

大荒

大雨は人の精神状態をどこかおかしくさせてしまうのでしょうか。

昼からカルテットを師匠のご自宅で見ていただくことになっていたのですが、各地で人身事故が多発し、メンバーの中にはダブルで巻き込まれた人も。結局、師匠に車で迎えに来てもらう羽目に…すみません。

曲がカルテットの王道ともいうべきパパ・ハイドンということもあってか、レッスンはいつにもまして基礎的なことを指摘されまくったような。特にブレスは自分では普通にしているつもりなのに、いざ意識的にやろうとすると上手く行かない、即ち正しい呼吸が出来てないんですね。

レッスン中何度となく「面白い」という言葉を連発された師匠ですが、微妙な味のお料理の評価って大抵「面白い」だよなあ…。もちろん自分(たち)の未熟さは重々自覚してますが、やっぱり挑戦するだけで終わりたくはありませんからね。四人の息が合わせるのは練習以前の問題だとはいえ、やっぱり練習せなー。

13時半から始まったレッスンが終わったのは17時半過ぎ。長い時間ありがとうございました。懲りずにまたよろしくお願いいたします。

 

2010年6月23日

吟遊

有休とって、小沢くんの復活ライブ「ひふみよ」高松公演へ。

高い前評判通り、存分に楽しませてもらいました。ドアノックダンスを踊り(軽く眩暈を起こし)、「今夜はブギーバッグwithスチャダラ」を生で見られるだなんて、こんな贅沢なことがありましょうか。

ファンになったキッカケが「Olive」連載ということもあり、私にとっては言葉の人という印象が強い小沢くんですが、こうして歌という表現手段を信じ続けてくれていたということがとにかく嬉しいひとときでした。なにしろ遅れてきたファンなので、能書き垂れることも過去と比較することも出来ませんけど、このcuteさは何なんでしょうねえ。観客が求めるものを理解し、ミーハーどころをを押さえながらも確信犯的な発信...きわめて刺激的なステージでした。

【個人メモ】

1. 流れ星ビバップ
2. ぼくらが旅に出る理由
3. 天使たちのシーン
4. いちごが染まる
5. ローラースケート・パーク/東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディーブロー
6. ラブリーのコーラス練習
7. カローラ?にのって
8. 痛快ウキウキ通り
9. 天気読み
10. 戦場のボーイズライフ
11. 強い気持ち強い愛
12 .今夜はブギー・バック
13. 夢が夢なら
14 .麝香
15. シッカショ節
16 .さよならなんて云えないよ(メンバー紹介)
17. ドアをノックするのは誰だ
18. ある光
19. 時間軸を曲げて
20. ラブリー
21. 流れ星ビバップ

アンコール
22. いちょう並木のセレナーデ
23 愛し愛されて生きるのさ

ホテルに戻り、ビール片手にパソコンを開き、「LIFE」を聴きながら楽譜仕事。あー、ライブで聴いたばかりだと、CDって軽いなあ。

 

2010年5月 9日

スタート

出かける直前に自宅の階段から滑り落ち、肘を楽器ケースにぶち当て、なんだか幸先のよくない始まりでしたけど、カルテットの初練習を終えて無事帰宅。

古典曲はやっぱり難しいですね。どんどん課題が出てきそうですが、初回にしては音程の違和感がなかっただけでも上出来。速いパッセージ練習しないとなー。練習後の飲みもなかなか面白かったし、さて2ヶ月半でどこまで行けるかな。
頑張りましょう。


 

2010年5月 7日

夜寒く

今日もわりと平和な一日でした。平和基準がおかしくなってるのかどうかはともかく、ミスの種はえてしてこういう時に蒔かれていることが多いので、気をつけねば。

オケはお休みだったのですが、練習場が空いているとのことで、チェロは有志4人でパート練習。「やる気のわかない曲だねえ」とぶつぶつ言いつつも、合わせるのは面白いですし、勉強にもなります。つい我の強い弾き方に陥りがちなので、もっと良いp(ピアノ)の音を出せるようにしないと。

休憩時間にはトップ兄さんの持ってきた譜面でアンサンブル練習。その中にコレルリの合奏協奏曲があり、コレルリいいよねー。もちろん一番パート(ハイポジが多くて大変)はトップ兄さんにお任せで、ぜひ7月のアンサンブル大会もこれで出ましょうと強く推し。

知っている曲だということはCDを持っているはず。帰宅後に棚を漁るとたった1枚ですが、見つかりました。ERATOレーベルなので演奏は安心です。はて、どの曲だったかしらと順に聴いていく内に、聞き覚えのある曲が耳に入りました。あれもコレルリだったんだ!合奏協奏曲op.6-8、別名クリスマス協奏曲。ちなみにチェロアンサンブルの曲はこの曲の最終楽章です。メロディーも通奏低音もそれぞれに魅力があり、どのパートも弾きたくなってしまいますね。夏のクリスマス・・・しかもイタリアン・・・まあいいじゃないですか。

〇読了本
・横溝正史「女王蜂」角川文庫
朝の電車で読み始め、ほどなく話と犯人を思い出しました。以後、ものすごい飛ばし読みで読了。この作品にはあまり思い入れがなくて、同じような話だと「三つ首塔」の方が印象深いんです。あちらはエログロ要素が強かったので仕方ないとしても、主人公の名前がねぇ、絶世の美女が「智子」というのはこれいかに。全国の智子さんには申し訳ないですが、小説上においては、音禰(三つ首塔)とか美禰子(悪魔が来りて)とかの方が神秘的じゃないですか。単なる「禰」フェチじゃないかと指摘されそうですが、あ、珠世(犬神家―)もOKですよ。
トリックの作り方を始め、構成はしっかりしているだけに、なんとなく勿体無い作品。

 

2010年4月18日

中身で勝負

関西アマチュア有志さんたちによる室内楽コンサートを聴きに行ってきました。

格式あるホールであれだけ堂々と演奏できるというのは大したものですし、皆さん全楽章に挑戦するのもエライとは思いますが、聴く方としては正直しんどかったです。全楽章をきちんと聴かせられるプロって凄いんだなあと改めて実感させられたり。10年以上ぶりの先輩や先生やらにご挨拶して駅に向かうと大学の同級生一家と遭遇。なんでもアンジェラ・アキコンサートがあったのだそうで。

帰りがけに楽器屋に立ち寄り、チェロケースを購入。半年以上グダグダしてた割にはあっさりですが、希望色が入荷していることは調査済みでしたし、衝動買いではないのですよと。チェロケースっぽくないのが良い感じ。さて、どんなステッカーを貼ろうかな。もちろんオケっぽくないやつね。

 

2010年2月 8日

行脚

楽譜屋→タワーレコードという危険コースを通って帰宅。

しばらくクラシック界にもCD界にもご無沙汰気味で知らなかったんですが、PHILIPSレーベルってDECCAに吸収されちゃうんですね。好きなアーティストが多かっただけに、あの臙脂色が消えてしまうのは残念です。

てなわけで、店内最終ワゴンセールなるものを覗いてみると、ヨッフムのベートーヴェン交響曲全集を発見。オケはもちろんコンセルトヘボウ。あーせめてブラームスとかブルックナーならなあ。しかしこれは苦手なベートーヴェン(の交響曲)を克服するチャンスなのかもと言い聞かせ、ポイントで購入することに。

あと、ふだん同じ曲のCDは極力買わないようにしているのですが、今日はグリュミオーのベートーヴェンVnコンチェルト二枚目を買っちゃいました。しかもソロ奏者だけでなく、オケまで同じコンセルトヘボウというもの。サー・コリン・デイヴィスはソツがなくてとくに好きな指揮者ではないのですが(1枚目の指揮者はベイヌムでした)、帰宅後さっそく聴いてみると、こっちの方がいいじゃないですか。オケが主張し過ぎてはいけないコンチェルトには向いているのかもしれません。あるいは録音状態が良かったのか、はたまたグリュミオーの調子が良かったのか。ちなみに1枚目はDECCA、2枚目はPHILIPSです...。

そうそう、所有するCDのPHILIPSレーベルを数えてみると、全部で47枚ありました。ほとんどが室内楽やソロ楽器CDでした。んで、今日の購入にて何とか50枚越え。意味ないですけど。

あー、交響曲のHDD移行は11日にでもやりますか。せめて水曜が休みだったらなあ。いろいろ憂鬱続きです。

 

2010年1月14日

コンセルトヘボウ

オランダといえばアムステルダム、アムステルダムといえばコンセルトヘボウ。日本で有名な海外オケといえばウィーンフィル、ベルリンフィルあたりが二大巨頭ですが、私が一番好きなオケはこのアムステルダム、いやロイヤルコンセルトヘボウなのです。オケはめったに聴きに行かないのに、ここはたっかい高い日本公演も聴きに行きましたもの。

そういうわけで、この旅行にあたって諸々の準備に先駆けて調べたのはコンサートスケジュールでした。おーあるある、ベートーヴェンのVn協奏曲とシベリウスのTweede...2番かな?指揮は客演のテミルカーノフ。オランダでシベリウスというのもなんですが、月末の定期も演目はシベリウスのVn協奏曲ですから、1月のコンセルトヘボウはシベリウス月間なのかもしれません。ちなみに定期のメインはラフマニノフのTweedeだそうで、あーラフ2よりはシベ2の方がいいな。残席わずかでしたが、なんとか2席購入。

*****

さて、まずは下見、といってもホテルはホールの真裏ですから、出ればそこはコンセルトヘボウ楽屋口です。自転車いっぱい。

20100114a0.jpg(これは翌朝写真)

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日本にもあまた音楽ホールが存在しますが、さすがに格が違いますなあ。夕食をとる店を探していると、近くに楽譜屋を発見。

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せっかくなんだし何か買う楽譜なかったかな...あ、「わが祖国」のスコア、あれは輸入版しかなかったはず。日本で買うよりは安いかも。スコアコーナーを探してみると、2「モルダウ」と6「ブラニーク」がありました。店員さんに値段を聞いてみたところ、モルダウのスコアを店内のあちこちにあった機械にかざして「10ユーロだね」。ああこれはバーコード読み取り機だったのですか。よく分かりませんが、法外な値段ということはないでしょうし、お買い上げ。

お目当てのレストランは満席でしたが、少しはお腹に何か入れておかねば。お得意のスーパーにてハイネケン(ちゃんと5.5%のがありました)を買い、ホテルにて一眠りすることにしました。開演は20時15分ですからね。日本もこれぐらいの開演時間だと平日公演に行ける人が増えるでしょうに。

きっかり1時間後に目を覚まし、さあ行きましょう。まずはチケット引取りです。どうやら引換証と間違えて領収証を持ってきてしまったようですが、なんとか無事にチケット発券完了。ついでに当初行こうと思って買ってしまった月末公演のチケットも引き取り。はて、どうしましょうかね。

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チラシコーナーを覗いていると、たくさんのチラシの中にひときわ輝く冊子が。見れば2009-2011にかけて行われるマーラーチクルスのご案内です。行きたいなあ。

20100114t1.jpg←右が表紙

20100114t3.jpg ←曲ごとにユニーク解説

タダとは思えぬ豪華冊子、全部載せられないのが残念です。これとは別に今日のプログラムも購入しましたが、全てオランダ語。読めんよ!

オーバーを預けて(うっかりチケットを入れたまま渡してしまい、取り返しに行く羽目に)ホールに入ってみると...おぉぉ、段々畑のオーケストラ。私は一階席の最後方なのですが、オケそのものがかなり高い壇上にあるので見えない心配はなさそう。観客の方々は全体的にやはり年配のお金持ちが多いですね。チケット代も安くはないし、日本も似たような感じですが、少し違うのは、ここが何だかちょっとした社交場となっているらしきところでしょうか。席の離れた母と別れて座席に着きました。

時間になりました。拍手の先を見ると、階段を降りてくる指揮者とヴァイオリニストの姿が。うぉーカッコ良い~!(でも高齢指揮者には厳しいホールです)

〇ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団コンサート
指揮:Yuri Termirkanov

・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
Vn独奏:Vadim Repin
・シベリウス:交響曲第2番ニ長調

ベートーヴェンはCDを買って予習はしたんですが、あまり派手さがないわりに粗は目立ちやすいという古典の典型のような曲なんですよね。聞かせどころの少ないこの曲を選ぶところが凄いっちゃ凄いんですが、1楽章出だしのオーボエのまあウマいこと。そしてファゴットにこんな音が出るとはね。まるでホルンかと思いましたで。ただ吹くだけの楽器やないのね。「われもわれも」とがなりたてるわけでもなく、管楽器のセクションバランスがものすごくいいです。あと目に付いたのはコントラバスの異様なまでのカッコよさ。ホール効果もあるのかもしれませんが、凄い響きです。皆さんでかくてフレンチボウなので、まるでチェロを弾いているかのようでした。こんなに段差がついていると、弾く姿が良く見えて面白い。

ヴァイオリンのレーピンさんは3度の上昇下降形が少々不安なピッチだったかな。これを完璧にこなすのは至難の業でしょうが、1楽章終了後ちょっと観客がざわついたのは、そのあたりだったのかどうか。音は高音がきれいでしたねえ。ちなみに3楽章カデンツァはクライスラーのオール重音バージョン。これを練習し過ぎてほかの箇所をあんまりさらわなかったんじゃないかと疑うほどに、むちゃくちゃうまかったです。音も外さず、感動ほろり。つくづくヴァイオリンって難しい楽器よなあ。

休憩中、ドリンクバーを覗いたのち、母の席を観に行くと、なにやら両隣のご婦人方に話し掛けられたそうで、適当な返事をしつつ楽しんでいる模様です。やれやれ。

さてさて、メインのシベリウスです。オケの人数もぐっと増えました。

20100114t4.jpg

いきなり冒頭の5音でハッとさせられまくり、つかみバッチリ。音が前に流れてます。ああ、指揮者の先生方がよく仰る「ベクトルのついた音」ってこういうことなのかと生まれて初めて実感。出た音というものは絶対に止まらず、後には帰らないのだ―と。

さきほどの管楽器はもちろんですが、弦楽器もまとまりようが凄いです。ヴァイオリンが上手いのは名門オケの必須条件で、もちろんここも例外なく素晴らしかったのですが(日本人もいらっしゃいました)、それだけじゃない、一介の弦楽器奏者に至るまで、全員の音に対する想像力、創造力そして責任感がケタ違いなんです。それだけオケにも自分にもプライドを持っておられるのでしょうし、その集合体だからこそオケとしての共通認識もしっかり築けるのだろうと感じました。

2楽章ではピチカートだけでこんなに音楽を、メロディーを語れるのかと驚愕。ピチカートに対する認識を改めました。こないだブラームスの1番をやった時、師匠にピチカートを物凄く注意された意味がまたここで分かりました(遅いよ)。もっと真剣に練習せなあかんね!しかしまあこんな良い音のピチカートがこれまた弦楽器全体でタイミング揃うって、一体どんな合わせ方してはるんやろか?

そしてここでも再びコントラバス、凄い迫力です。これぐらい上手かったら「チェロはコントラバスの上に乗っかる感じで」といつも言われる言葉も心底納得ですし、そう弾いてやってもいいです。つーか、チェロ要らんのちゃうかとさえ思ってしまいましたわ。ここのオケ、チェロも普通に上手いのに、他のパートがウマすぎる特A+++クラスなので、特Aクラスレベルではまるで下のようにさえ見えてしまいますね...かわいそうに(超余計なお世話)。しかし、弦楽器全員があの早いパッセージを完璧に弾き、そして合わせることって可能なんですねえ。わたしゃシベリウスの細かいパッセージなんて誤魔化すこと以外考えたことなかったですよ。低レベル感想でごめんなさい。

3楽章から4楽章にかけては、盛り上がりとダイナミクスのつけ方が面白かったです。曲全体の構成がしっかり頭に入ってて、なおかつ常に先を意識してないと無理だろうなと思わせる指揮と演奏でした。何度目かのテーマでとうとうクライマックスに達しても、弦の音が汚くなったり金管の音がへたったり割れたりなんかしないのです。ああ美しや。当たり前だと言われそうですが、プロオケでもシベ2の4楽章で金管が潰れるのは珍しくないですもん。技術だけじゃなく、気力も体力もないとつとまりません。

終演後はスタンディングオベーション。これは恒例のようですが、このメンバーでこの演奏だと、奏者ごとに一々挨拶する長々しいカーテンコールなどまるで不要です。全員がソロの自覚持って演奏してるんですから。実際、オケ全体に対する拍手が2,3回続いてあっさりとコンサートは終わりました。アンコールももちろん無し。いいねえ、理想です。

はたしてこれがシベリウス演奏としてふさわしいものだったのかどうかは分かりませんが、コンセルトヘボウサウンドは存分に味わってきた...と思います。

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そうそう、手元の余りチケットは母の発案により、母の隣席ご婦人'sに差し上げました。恐縮されながらも大そう喜ばれましたよ。別れ際には「Enjoy your journy!」と。そして終演後も結局レストランには入ることが出来ずでした。やっぱり予約しとかなきゃダメですね。まぁ明日からはベルギーなんだし・・・とはいえ痩せますわー。ビール飲んでちゃムリかもしれませんが。

 

2009年12月12日

Jazzy night

不慣れな土地で電車が遅れ、時間に追われるほど面倒なことはありませんが、日本国内ではケータイというものがあるわけで、電車情報も、待ち合わせしていた友人との連絡もこれ一つでOK。便利な世の中になったものです。

深谷から急ぎ向かった先は渋谷のフィンランドカフェでした。期間限定のこのイベント、12/8〜12にかけては夜にピアニストさんを招いてジャズライブも行われるとのことで、ジャズはからっきしなんですけど、これは行きたい。早速予約完了。さすがにまるっきり予備知識なしというのも怖いので、CDを2枚ばかり(コレとかコレとか)購入して聴いてみると、とてもいい感じでして、期待も盛り上がる一方でした。

ここまで来て迷うのはイヤなので、渋谷からタクシーに乗り、もののわずかの時間で会場到着。席を取ってくれていた友人と再会を喜び、まずは腹ごしらえを。食うぞ飲むぞ!

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ボケてるけど、「ヤンソン氏の誘惑」
でもこれってスウェーデン料理じゃなかったっけ?

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ボケてるけど「カレリアパイ」
シベリウスのカレリア組曲ってあったよね。

なんだかんだでメニューのほとんどを食べ尽くしました。大人食い?どの料理もレベル高かったです。飲み物ではホットワインがむちゃくちゃ好みでした。

さてさて、本日一番のメインイベントです。つか、出演者さんたちは開演前から周りでお客さんと談笑してはりました。気さくな人たちだ。

〇ウラディーミル・シャフラノフ トリオライブ

いやあ良かったですよー。ジャズは良し悪しどころかルールもサッパリ分からないので(なんで楽譜無しに弾けるの?とか)迂闊なことはいえないんですけど、あの即興のスイング感は凄いっすね。リズム感のない私には厳しい世界だわあ。

演奏はやっぱりピアノが良かったです。先入観ももちろんあるでしょうけど、北欧らしい硬さと透明感っていうんでしょうか。凄く好きなタッチでした。ベースとドラムはバランスからすると、もう少し音量小さめでもいいかなーと思ったんですけど、どうなんだろう。ジャズも勉強してみないとな。

ほっこりといい気分でくつろぎながらも、友人との会話はなかなか不景気な話題に。広告不況の影響で某大手出版社がヤバいらしい、とか、某大手書店のボーナスは3万円らしい(!)とか。

え・・・Amazonで買うのは極力やめよう。

 

2009年11月22日

ざばざば

雨降りの夕方、師匠の出演されるコンサートへ行ってきました。途中駅で行楽客とおぼしき人々がどっと乗り込み、まぁそれは予想範囲内なんですが、皆さん揃いも揃ってぬくぬくと重装備。そんなに寒いですかね、ここは。

駅地図に惑わされながら(北が下向いてるんだもん!)何とか会場に辿り着きました。やれやれ。

〇林泉弦楽四重奏団演奏会@日本福音ルーテル西宮教会

・ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番
・ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェルソナタ」
・ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番

どれもこれも聴き応えのある曲ばかりでしたが、目新しさという点ではやはりヤナーチェクが面白かったですね。昔聴いた2番の「ないしょの手紙」はイマイチ耳残りしなかったもので、いい印象がなかったんですけど、このクロイツェルは元ネタとなっている肝心のベートーヴェンのVnソナタもトルストイの原作もあまり知らなかったにも関わらず、司会の上村先生の前説効果もあり、退屈することなく集中して聴くことが出来ました。これだけテーマをしっかりと音楽に刻み込めるなんて、作曲者も演奏者も凄いなぁ。

ベートーヴェンの4番はいわゆるハ短調モノとあって、ピアノソナタの「悲愴」を思わせるような重苦しさで始まりましたが、中盤からは重厚な和音がほとばしる様に「おぉ〜っ!」と聞きほれておりました。
もっともこちらは(終演後)師匠曰く「もう少し力を抜いて1stを浮き立たせたかった」とのことで、確かに林泉さんの音を際立たせるには軽めに弾いてもらった方が、キラキラした音色が映えて良かったのかもしれないけれど、こういう力技の演奏もこれはこれでアリだと思いましたけどね。プロの視点は怖いっす。

一緒に聴きに行ったオケの人たちと師匠とで美味しい点心を食べて帰宅。駅近にこんな店があるなんて。今度また行こうっと。

*****
読了本

・滝田務雄「田舎の刑事の闘病記」(東京創元社)

田舎の刑事シリーズ第ニ弾。
期待が大きすぎたかなあ。第一弾に比べると衝撃も物足りず、お決まりの問答も若干マンネリか。とはいえ普通に楽しくは読めましたよ。主人公・黒川刑事の足を引っ張りまくる問題児白石さんと黒川妻が事件解決のキーになるくだりは上手いフォローですね。
次回作は長編だそうで、大丈夫かしらと心配しつつも、この作者さんだったら何らかの捻りを展開してくれることでしょう。楽しみにしてます。

 

2009年11月20日

減衰

いつも以上に楽器を重たく感じながら練習場へ。今日からは「第九」練習です。
たいていオケに行くときは調子がイマイチでも、弾いているうちに好転することが多いんですが、この曲だけは・・・弾くほどにぐんなりげんなり。どうにも上がって来ません。実際、「第九」の後にブラームスの練習をしたら見違えるように元気になりましたからね。やっぱり相性が悪いということなのか。

弦楽器の中ではチェロはけっこう多いし、周りには嬉々として弾く第九マニアがたくさん居るので降り番とかダメかなあとか、まぁ言うだけムダですし、こんなことをプロの人の前で言うと「俺ら何回弾いてると思ってるねん!」と怒られるので言いませんけど、溜め息の連続です・・・。

楽しく弾く秘訣ってあるんでしょうかね。

 

2009年11月13日

誠意

今年は金曜日の降雨率が高いのか、楽器を運ぶだけでも面倒なのに、これに傘が加わると、荷物は増えるわ自転車にも乗れないわで悪いことづくし。こうして皆さん車を購入されるのですね。

さて、本日は本番指揮者さんとの初合わせ。練習前の楽器運びで思わぬ汗をかいてしまい、予想通りトップ横の席で弾く羽目になったにもかかわらず、イマイチ乗り切れないままに1曲目が終わってしまいました。2曲目ようやく少しずつマシになってきたところで休憩となり、先生と目が合いました。「久しぶりだねえ、Nekoさん」・・・うわぁ、覚えてもらえてる。

実は今回の指揮者さんはその昔、大学オケ最後の定演で振ってもらい、それはそれはお世話になった方なのです。あのとき先生が真剣に仰った「みんな社会人になっても絶対に音楽を続けてほしい」という言葉が無ければ、なんだかんだ言ってこうして楽器を弾き続けていたかどうかも分かりませんし、そのほかにも音楽をやる上で先生から学んだことはたくさんあり、恩人の一人といっても過言ではないのです。しかし、まさか10年以上も経って覚えていて下さるとは。

音楽を全力で楽しむ姿勢はまるで変わらず、ブルックナー愛にあふれたブルックナー6番の練習は特に面白かったです。ブルックナーは「転調」で常に聴衆を感動させることができる作曲家なのだそうで、そこをいかに聴かせるかが一つのポイントとなるのだとか。今回の演奏会はこのブルックナーがイヤで休団した人も居るそうですが、こんな練習を味わえないなんて、やっぱり食わず嫌いは勿体無いなあ。

練習後は先生との飲みに参加。先生のすぐ近くの席が空いており、トップさんを差し置いてどうかとは思ったのですが、どうせ私は終電も早めですし、他にもトップじゃない人がいましたので、まあいいかとあつかましく着席し、楽しんでまいりました。

・・・がんばろう。

 

2009年10月29日

生カルミナ

大フィル10月定期を聴きに行ってきました。チケットは売り切れとのことだったのですが、親切な師匠に手配いただきまして、いつもいつもありがとうございます。

お目当てはハイドンのチェロ協奏曲第1番(独奏:ピーター・ヴィスペスウェイ)。実は10年ほど前にヴィスペルウェイさんの演奏は生で聴いたことがあるのですが、その時はバロック楽器だったので(プログラムはバッハの無伴奏とシューベルトのアルペジオーネでしたかね)、モダン楽器での演奏を聴くのは初めてです。

いやー、巧かったですねえ。演奏はほぼピリオド奏法だったのですが、その解釈とカデンツァはむしろ前衛的ですらあり、なんだか超絶技巧ハイドンって感じでした。オーバーアクションや弾きながらオケに指示しちゃったりするエンターテイナーっぷりもひとつの魅力なんでしょう。

ただ引っかかったのは、巧さが手練れのように見えるときがあったこと。そのためか、結果的には演奏後に残る余韻が少なかったんですよね。隣のブルジョワ婦人たちのおしゃべり(演奏中ずっと!)にイライラしていたせいかもしれませんが、うーん、私の耳は悪い批評家みたくなっちゃってるんでしょうか。ちょっと自己嫌悪。アンコールはバッハの無伴奏でした。

ちなみにこちらのヴィスペルウェイさんはウィリアム・プリースさんにも師事されていたようで、師匠とは遠く兄弟弟子の関係に当たるんですが(そういえば、かのジャクリーヌ・デュプレもです)、いやぁ皆さん全く違いますね。んでから私は師匠の演奏の方が好きですよ。って、そういうことは直接言えよって話ですね。

オケは悪くはなかったんですが、ソロがわりとアグレッシブで鋭い音だったこともあり、高弦が若干ぼんやりして実音が聴こえづらかったのはちょっと気になりました。2階席だから響きしかやって来ないのかなぁとも思ったのですが、一概にそういうわけでもなかったようで・・・。そうそう、指揮の大植さんは衣装のツヤ感が黒ラブラドールみたいでしたよ!

*****

休憩中、近くの紳士にうるさいと怒られるブルジョワ婦人'sを横目に、コンサート二曲目は何だっけなとプログラムを開いてみれば「カルミナ・ブラーナ」とありまして、あーそうか、満員観客さんたちのお目当てはむしろこっちだったのか。プログラムから目を上げると、驚くべき光景が待ち受けておりました。

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フルコン二台がど真ん中です。ピアノ近くで弾く弦楽器奏者さんたちにとっては(うるさくて)たまらんでしょうけど、見てる方にとっては、なんつか戦隊配置みたいでカッコいいです。や、実際とてもカッコ良かったです。視覚効果に弱いのか、私。普段は絶対にやらないんですが、ちょっとだけ撮影させていただきました。これぐらいなら大丈夫ですよね?

演奏はそれなり面白かったですよ。長い長い曲でオケも大変そうでしたが、歌のソリストさんたちが良かったので何とか持ち堪えました。声は最高の楽器なんてよく言いますけど、どうやったらあんな声が出るのか?とか、どうやってそのフレーズ感を構築できるものなのか!?とか、いろんな驚きがあり、おこがましくも(自分の)演奏の参考になりそうな気がしました。

終演後、師匠と他のお弟子さんたちとのゴハンにお邪魔させていただいたのち帰宅。

 

2009年9月17日

はずれあたり

昨夜23時も過ぎた頃になってケータイにメールが入り、見ればチェロの師匠からです。何ごとかと見れば「明日のコンサート、招待券を窓口預かりにしておくから」とのこと。確かにお願いしてはいましたが、あれは2週間前のこと・・・てっきり忘れたのであろうと思い込んでました。ま、特に予定もありませんでしたから、ありがたく行かせていただいたのですが。

〇大阪フィルハーモニー交響楽団 第431回定期演奏会

・スーク/組曲「おとぎ話」
・アルチュニアン/トランペット協奏曲
・ドヴォルザーク/交響曲第7番

総じて印象に残らないコンサートでした。
オープニングで爆睡してしまったのは睡眠不足続きだった私の責任だとして、2曲目もトランペットが上手いことは分かりましたが、それだけというか。そしてなによりメインのドヴォルザークにいたっては消化不良の感ありあり。ドヴォルザークの命ともいえるリズムの軸足がどうにも定まらず、指揮者さんがどういう曲にしたいのかも今ひとつ伝わらないままテンポはどんどん上がり、怒涛のように終わっちゃいました。指揮者の責任なのかオケの責任なのか、たぶん両方なんでしょうけど、大フィルはここ最近ずいぶん弦楽器が良くなったと感じていただけに、オケとしてもっと深く作りこんだ演奏を聴きたかったですね。実はこの7番、大学オケで交響曲デビューを果たした曲なんで、思い入れが強いんです。

終演後はチケットを頂いたことだしと、ゆるゆる楽屋口へ。ほとんどの楽団員さんたちが退出され、トランペットさんのサイン会が始まったあたりになって、ようやく師匠の姿が見えました。ほんとにいつもなぜこんなに遅いのでしょう。謎です。帰りは師匠の車に同乗させていただいたのですが、発進するなり「さあ聞こう。どうだった?」うわ、いきなりですか。回転の遅いアタマと貧弱な語彙と振り回しながら「・・・あっという間に終わっちゃいましたねぇ」

なんでも7番を演奏するのは10年以上ぶりなのだそうで、師匠もお好きな曲なのだとのこと。ま、チェロ弾きでこの曲をキライな人はなかなか居ないでしょうが、ダメ出しやら何やらを好き勝手に喋っているうち駅に到着。〇〇先生からもらったという外国産ビールをお裾分けしていただいて帰ってきました(私は手ぶらだったのに)。

*****

携帯プレイヤーにつけているイヤホンの断線っぷりが酷くなってきたので、新しいイヤホンをネットで物色。ウン万もするようなものは対象外だとしても、コレで音楽を聴く時間が一番長いわけですし、弦楽器の音はそこそこキレイに聴こえるものの方がいいよなーと、数々のレビューを読み悩みながら、結局は今も使用しているDENON製をポチッ。ただ少しランクは上げたので、悪くなることはないでしょう。

 

2009年9月13日

省みる

コンサートそのものは大きな事故もなく無事終了。チケットのばら撒き他でホールが満員どころかパンクしちゃうかもという危惧があったのですが、なんとか定員内でおさまったようです。個人的には本番前に頼まれごとをしていたのに、行き違いや情報伝達不足でお役に立てず、大いに悔いが残ることとなりました...すみません。

演奏の方はといいますと、今回のプログラムはWシンフォニーということもあり、特にエネルギー配分には気を配っていたのですが、本番で要するエネルギーって練習時とは明らかに違うんですよね。「運命」が終わった時点で予想以上に体力を消耗してしまい、ブラームスの一楽章はしばらく惰性で弾いてしまいました。3楽章あたりでは弾きながら他のことを考えちゃってましたし、集中力の欠如もいいとこです。自分の力を最大限に発揮できる状態を作らないとなあ。これまた反省。

オケ全体としては、しっかりした組織運営や立派なホールなどといった見た目の派手さに演奏がまだまだついていってないなあという感じ。特に低弦は完全にヴァイオリンの足を引っ張っている状態ですから、これは次回までに真剣にどーにかしなければ。

打ち上げ二次会で某ベース氏と大喧嘩。演奏会まではなんとか我慢してきましたが、確信犯的に爆発そして予想通りお互いエスカレート。尊敬している別ベース様に仲裁されて矛を収めましたが、私もこれだけ大口を叩けばそのまま自分に返ってくるわけですからね、これくらい自分を追い込んどきゃ少しばかり気合入れて練習できるってなもんですよ。へへっ。

意識こまぎれになりながら、なんとか帰宅。いろいろヤバかったです。やっぱホテル取っときゃ良かった...。

 

2009年9月 6日

がまん

朝から晩までオケの練習にて缶詰。
まっすぐ帰宅するにはあまりに悶々とした気持ちが山積していたため、某中華料理屋にて特大の担担麺を平らげながら、ぶつぶつと愚痴をこぼし、今後の展望を語りあい。どうなるやらなあ。

帰りの電車でスコアを手に練習録音を聴きながら、いろいろチェック。弾いている最中にもっと気付けばいいんですが、あいにくと私は聖徳太子ではないどころか、自分だけで手一杯ですからね。録音や録画はこういう人間にとっては必須の武器です。
ただ、もうちょっと使い勝手の良い録音機器が...いやいやいやいや。

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2009年6月26日

行ったり来たり

寝不足というほどではないはずなのに眠くてたまらず、そしてそういう日に限って電車でも座れず。仕方がないので、あまり気が乗らないままに手持ちの本を読み始めたんですが、これがえらいこと面白い。眠るどころではなくなりました。

・広瀬正「マイナス・ゼロ」集英社文庫

昭和初期と戦後をタイムマシンで行き来するお話。タイムマシンに限らず時代・時空移動の小説はいくつもあるはずですが、純日本文学では意外と少ないのではないでしょうか。この作品は著者自身が生きた時代を描写されておられるだけに、その空気感がホンモノで、なんとも・・・いいです。
主人公が過去の世界でタイムマシンとはぐれてしまったところで駅に到着。ああ残念。

*****

上司も退社しましたし、さて我らも急がねばと、後輩と「いずみホール」へ。
一緒に遊ぶはおろか、飲んだことすらない(しかも口数がめっぽう少ない)後輩ちゃんですが、大昔にチェロを習っていたことがあるそうで、また習いたいという話を聞いてましたので、最初に誘うコンサートとしては室内楽はどうかとも思ったんですが、どうせ行くならやっぱり超一流に越したことはないですし、今ならボーナス後でお金がないってこともないでしょうからね。

〇タカーチ弦楽四重奏団コンサート
・ハイドン:「弦楽四重奏曲第82番ヘ長調 作品77-2」<雲がゆくまで待とう>
・バルトーク:「弦楽四重奏曲第2番 作品17」
(休憩)
・モーツァルト:弦楽四重奏曲第21番「プロシア王 第1番」

ロビーでウィーン音楽祭OSAKAのチケットを売っているのを見つけ、ピエール=ロラン・エマールのチケットを購入。ただでさえ気になっていたピアニストなのに、ドビュッシーのベルガマスク組曲にショパンのスケルツォを生で聴けるなんて、楽しみだなあ〜。ホクホクしてましたら後輩ちゃんに「即買いですね」と笑われました。

今回はギリギリで買った割にはセンター2列目という良席。これなら万が一1曲目が微妙でも楽しめるはず・・・なんて思ってたんですが、なんのことはなく、最初っからタカーチさんは全開でした。ああこの柔らかいベルベット・トーン。懐かしいなあ。暑苦しく主張する楽器など皆無のこの響き。いきなり涙出させんといてくださいよ。それにしてもハイドンにこんな良い曲があったなんて。や、多作な方ですから知らない曲がほとんどなんですが、これはぜひともCDを入手しなければ。
前に座った紳士が妙な頭の動きをしては私の視界を邪魔しまくることだけが残念でしたが、まあこれはどうしようもないですね。じっとしてろ!

2曲目のバルトークはただでさえ技巧的に難しそうなのに、このゆらめくような楕円のリズム。合わせるのも至難の業でしょうねえ。ときどきウワッと思うほど美しいメロディが飛び出してくる曲ですが、3楽章でついコックリ。

休憩を挟んでの3曲目モーツァルトはプロシア王1番、わりとソリスティックな曲ということもあってか、緊張感をはらんだ演奏でした。どんなに細かい音でもあの柔らかさが崩れないのは企業秘密なんでしょうけど、何か分からんものかなあと動きを凝視していて気付いたこと。全員左手の動きが物凄く柔らかいですね。普通に考えて柔らかさに直結しているのは右手(=弓)のはずですけど、あの左手の動きはよく見ると物凄く異様でしたよ。
あと、このカルテットって1stVnよりも2ndVnの方が上手ですね。おそらく性格的なことやなんかで、若い方の人が1stを務めておられ、実際それで上手く行ってるからいいんですが、そういうパターンもあるんだなあと。

アンコールは緊張の糸がほぐれ、堰を切ったように始まった「ラズモフスキー第3番」の4楽章。およそアンコールで弾くような曲ではないですが、モーツァルトを聴きながら「この人たちのベートーヴェンを聴きたいなあ」と思ってたところでしたんで、バッチリすぎるタイミングでした。カルテットの面々があまりに楽しそうに弾いてる姿に、音がピシピシとハマリ合いまくる愉快さに、思わず笑っちゃいました。こんなコンサートひさしぶりだー。後輩ちゃんも喜んでくれたようでなによりです。

駅で別れた後なんとなく飲み直したくなり、ふらりと天満へ。
その後何が起きたのかは・・・また来週。

 

2009年6月 9日

エンドレス

ネットニュースを見ていましたら、訃報欄に小山清茂さんのお名前が。まだご存命だったということに驚いたのはどうやら私だけではなかったようですが、失礼をお詫びすると同時にご冥福をお祈りいたします。

先日のコンサートでは、その小山さんの曲を演奏したのですが、早速そのコンサートDVDをご送付いただきましたので(感謝!)夕食後ひとしきり鑑賞させていただきました。

引きの映像が多かったためか、あまりヤバいシーンは見受けられず、全体の出来は予想よりもまあまあ良かっただけに、なおさら自分の練習不足が悔やまれるところとなりましたが、それよりもあらためて思い知らされたのは自分の姿勢悪さですね。隣がデカイお兄ちゃんだったこともありますが、そういう問題ではもちろんなくって、これまた前々から気になっていたのですが、もしかすると良くないのは背筋の伸ばし方というよりも首の据え方なんじゃないか、という気がしてきました(大元は繋がっているわけですが)。鏡というよりも、一度ビデオに撮って観たほうがいいのかもしれませんなあ。

*****

今更ながらにドラマ「きらきらひかる」のダビング作業なんぞを。
オンエア当時はあまり真剣に見てなくって、数年後レンタルビデオ屋で気まぐれに借りたらハマっちゃいまして、毎晩徹夜覚悟で見続けたんですが、今にして思えば脚本も私の好きな井上さんで、このキャスト。そりゃハマりますわなあ。これをDVD化する前にプロデューサーの山口さんがフジを辞めちゃったのが返す返すも残念でなりません。事こうなると、NG集もちょっとした価値ですな。

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脚本も「きらきら」

 

2009年6月 3日

払拭

大フィルメンバーによる室内楽コンサートに師匠が出演されることを知り、行ってきました近鉄八尾へ。距離は大したことないんですけど、接続が悪くてちょっと難儀なとこなんですよね。今回のプログラムはフルートがメインということで、フルートの高音がイマイチ得意ではない私としては少々躊躇していたのですが、いやあ行って良かったです。

【プログラム】
モーツァルト:フルート四重奏曲第1番ニ長調K.285
ベートーヴェン:フルート、ヴァイオリンとヴィオラのためのセレナードニ長調 Op.25
(休憩)
ルーセル:フルート、ヴィオラとチェロのための三重奏曲 Op.40
モーツァルト:フルート四重奏曲第3番ハ長調K.Anh.171(285b) 

一曲目は超有名曲ですが、室内楽コンサートの一曲目というのはどうしても楽器を鳴らすためだったり、ハーモニーのバランスを取るのだったりに時間が必要ですから、聴衆サイドも準備運動的な心持ちで・・・ひたすら師匠のボーイングを凝視しておりました。

二曲目は、あらまチェロのない曲でしたか。弦楽器のハモらせ方が上手いですねえ。初期のベートーヴェンは面白い箇所もあるんですが、総じてやはりちょいと退屈でしたので軽く睡眠をとってしまいました。すいません。

休憩を挟んで三曲目ルーセルさんは木管アンサンブルではしばしば名前を目にしたことがある作曲家さんですが、弦楽器混じりの演奏を真面目に聴くのは初めてです。ちょっと印象派的な色彩を感じさせる音が流れたかと思うと、ショスタコーヴィチっぽい無機質メロディーがあったりとで、いうなれば多国籍音楽といったところでしょうか。技巧的にもえらいこと難しそうでしたし、総じてライヴ向きだなぁという印象。

奏者の皆さん(というか師匠)の気合の入り方が1曲目とはケタ違いなのが伝わってきて面白かったです。チェロというのは割合鳴らしやすい楽器なのですが、ゴウゴウ鳴らしゃいいってもんではなく、かといってトリオなんかは特に楽器のぶつかり合いでもありますから、そこで腰が引けていては曲にならない。その辺りの線の引き方がプロの勘所なんでしょうけど、師匠は相変わらず品のある鳴らし方をされてました。美しいメロディーも派手になり過ぎないながらも華やかな音でね。そんな多彩なメリハリがカッコ良いなあと惚れ惚れしてしまいましたわ。

本日の主賓でもあるフルートの野津さん、大フィルでは榎田さんに隠れがちな印象がなくもないのですが、改めてこうして聴かせていただくと、なかなか渋くて良い音だなーとフルートそのものに対する印象も若干変わりました。今回は曲と曲の間でのお話も担当されていたのですが、これがまた好感を持てる内容だったのも大きかったですね。調性の表す重要性なんてのは、これまであんまり意識したことがなかったので新鮮でした。

ヴァイオリンとビオラのお二人は初めてお見かけしたのですが、両氏とも丁寧かつ淡々と折り目正しい演奏をなさる方ですね。カルテットでのメインはあくまでフルートですから高音楽器は多少控えめにされていたようにもお見受けしましたが、ぜひ弦楽四重奏曲での演奏を聴いてみたいものですね。

てなところで、最後に全員が揃ってのモーツァルト3番はカルテットとしてのハーモニーとバランスがよく取れていて聴き応えがありました。曲としても1番より好きだなー。実は1番の演奏後、野津さんの「モーツァルトはフルートが嫌いだったらしい・・・」という説明に、そうだろうなあなんて内心思ってたんですが、3番を聴いてみると、「・・・と言われてますが、それは手紙の中だけでの方便で、こんな素晴らしい曲を書くのだから、本当は違っていたのだと僕らフルート吹きは思ってます」という説明にも納得が行ったのでした。

アンコールは「川の流れのように」
意図はよくわかるのですが、このプログラムに対する選曲としてはちょっと合わない感じ。編曲が微妙だったこともありますけどね。

終演後は出演者の皆さんと交流会なんてなアナウンスがあったのですが、お客さんのほとんどが地元の方たちのようでしたし、時間もお天気も不安でしたので、さっさか帰宅させていただきました。

 

2009年4月 8日

考える効果

行くと散財してしまうので普段は避けているのですが、しばらくぶりにタワーレコードへ。

ピアノ曲を買うはずがプロコフィエフの交響曲7番などを買ってしまったのは、物色中に軽い発作を起こしかけたせいでしょうか。しかもこのテンシュテット盤、音の勢いがシャープ過ぎて(それが彼の特性というか魅力なので仕方ないんですけど)プロコフィエフにはもちっと粘着的なうねりが欲しい気がします。曲の素晴らしさは改めて言うまでもないだけに、(緩徐楽章はあまり聴かない私がこの3楽章はつい聴いてしまう)あー別の演奏で聴きたいなあと。マニアさんにメールしておこう。

田部京子さんの弾く「プレイアデス舞曲」を聴きつつ就寝。

 

2009年4月 7日

素人きどり

ケータイ見つかりました。

記憶の途切れた場所に電話してみたところ「それらしきものは・・・届いてますねえ」という思いがけないようなそうでないようなお答えが返ってきましたので、お昼休み炎天下をてくてくと某事務所へと出向きまして、ストラップのついていない、紛れもなく私のケータイを受け取ってまいりました。ああよかった〜。つか、最後の最後まで手を煩わせやがって、この!邪険に扱ってきた罰でしょうか。データを抜いたらとっとこリサイクルに回すこととしましょう。

*****

本屋で「考える人」の新刊が平積みされていましたので手にとると、おっとピアノ特集じゃないですか。なんとなく購入してみました。

電車の中で真っ先に目を通したのは吉田秀和さんと堀江敏幸さんの対談。どちらも好きな作家さんだけに非常に面白く、なかでも印象的だったのは堀江さんからコルトーの「香りの中にある明晰さ」の所以を問われた際の吉田さんの返答(曰く「アクセントがしっかりしていること」)ですかね。

コルトーが得意としていたとされるショパンやシューマンというのは1,2,3,4という拍の強弱がハッキリしている作曲家であり、そこのところが拍を意識的に分かりにくくしていたドビュッシーとは違うのだと。そうした理論に基づいた上で、コルトーは「転ばない酔っ払いかな」・・・なるほど。

一応の素地があるクラシック音楽、なかでも一番得意分野といってもいいピアノでもこれですからねえ。まったく経験も知識も無いバレーボールについて書くことのおこがましさについて考えちゃいますよ。いつまでも不勉強のままに書き散らしていいのかと。まあ書くんですけども。

 

2009年2月 6日

渋オケ

招待券をいただき、橋元知事に潰されようとしている大阪センチュリー響の定演へ行ってきました。案に相違して、座席はシンフォニーホール特等席。ステージを含め何度も来ているホールですが、ここに座るのは初めてです。おおよく眠れそうだ。

開演前につらつらとプログラムを眺めておりますと、チェロトップに林俊昭さん(関西チェロ界の重鎮)のお名前が。え、いつの間に?林さんて...え?

まったく聞こえない演奏前プレトークも無事終わり、団員さんがぞろぞろ登場。うわ、ほんまに鼻の林さんが居ますねえ。

指揮:アラン・ブリバエフ
小山実稚恵(ピアノ)
・ムソルグスキー:歌劇「ホヴァンシチナ」より前奏曲 "モスクワ川の夜明け"
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
・プロコフィエフ:交響曲 第7番 嬰ハ短調 作品131「青春」

1曲目は林さんのボーイングに見惚れている間に終了。チェロパートの中でも動きと音が際立ってました。ええのか悪いのか分かりませんけど、個人的には面白かったんで良し。

全体としては楽器がまだ鳴りきっておらず、曲のよくわからなさも含めて印象薄かったんですが、気になったのは管楽器のピッチ。いいとか悪いとかじゃなく、パート間のバランスが微妙にずれてる感じがして、気のせいかなあ。

2曲目はですね、ちょっとイヤな予感があったんです。いくらロシアものとはいえラフマニノフの2番てねえ、安易過ぎますやん。
予想は別地点で当たりました。ピアノが酷い...

小山さんはもう少し丁寧に弾く人というイメージだったんですけどねえ。いくらロシアものだからって、あんなにがなられては。和音も潰れてたしなあ。ガッカリですよ。おかげで大音量の1楽章から軽く熟睡。静かな2楽章も爽やかに熟睡。

しつこいアンコール拍手と休憩が終わり、3曲目。プロコフィエフの7番です。知らない曲だけど、プロコは地味にいい曲が多いので大丈夫でしょうとたかをくくり、冒頭メロディに耳を傾け、ああ、いい曲やん。

ちょっと待てよ。
私、この曲知ってる?
つーか、弾いたことある?

第4楽章でようやく確信。やっぱり弾いたことありますわ。このメロディ弾けなかった記憶がありますもん。やーねー、しかしいつどこで弾いたんだか?

てなことはさておき、演奏の方はつつがなく、そしていい曲でした。オケとしてはどうかなあ。上手いんだけど、どこか渋いというか、もう少し突き抜けたらいいのにと思うことが何度かありました。特にヴァイオリンの音色にもう少し色気がほしいなーと。目立たないヴィオラとトップ目立ちまくりチェロはよかったですよ。

しかしまあ大阪フィルとはそこかしこで対照的なオケですね。ここの丁寧さ(特に金管)は大フィルにも見習ってほしいし、高弦と木管の色気は大フィルのがいいし、どちらも特色活かしてこの苦境を乗り切ってほしいと願っております。

チラシを見ると大フィルの2月定期はマーラーの5番なんすね。カップリングのモーツァルトもいいし、行こうかなー。

 

2008年7月 9日

ジバラン

仕事もつつがなく終わり、ちょいとコンサートを聴きに行ってきました。

大阪フィルハーモニー交響楽団
朝比奈隆 生誕100年記念特別演奏会
(ザ・シンフォニーホール)
指揮:大植 英次

・モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488
ピアノ:伊藤 恵
(アンコール:モーツァルト ピアノソナタ第15番ハ長調k.545 第1楽章)

・ブルックナー/交響曲第9番ニ短調

とにかくモーツァルトにつきたコンサート。
伊藤さんのピアノが想像以上に素晴らしかったです。個人的にモーツァルト=硬質な音といったイメージがあったのですが、伊藤さんはどちらかというと、ふわっと流麗な響きのタッチの方でした。それでいながら音の輪郭はしっかり浮き上がるんですね。ペダリングが素晴らしいのか、バランスが絶妙なのか。最初から最後まで乱れることなく、実に完成度の高い演奏でした。

オーケストラも良かったですよ。大植さんと伊藤さんのコミュニケーションが良くとれており、超小編成だったこともありますが、まるで大フィルじゃないかのようでしたわ。朝比奈先生もきっと草葉の陰から喜んでおられることでしょう。ほんと、弦楽器の底上げは進みましたね。面倒な3楽章ではちょこっと粗も見受けられましたが、そこまで言っては小姑と化してしまいますのでスルーの方向で。ただ、さらに上を目指すならやはり「神は細部に―」だと思います。

アンコールはモーツァルトのピアノソナタ第15番。
もっとも有名なソナタの1曲であり、関係ないけど私が生まれて初めて弾いたモーツァルトの曲でもあります。途中部分のモーツァルトトリルが弾けなくって、叩かれ泣かされましたねえ。以来いろんな演奏を聴いてきましたが、こんなに美しい曲だとはなあ。めくるめく音の羅列にほぅっとなってしまいました。

いや、もうこれだけで充分満足。
大フィル会員になろうかしら、なんて考えながら次のブルックナーを待ちました。ピアノをどうやって片付けるのかなあと見ておりましたら、ピアノは床ごと下がっていきましたとさ。ああそうか、クラシック専門ホールだもんねえ。

で、ブルックナーはですね、いつもの大フィルでした。朝比奈先生のブルックナーを聴いたことがないので比べようがありませんが、一言で言うなら浪花節。ともするとこぶしのひとつも聞こえてきそうなほど、ねちこくリズムが横揺れするブルックナーでした。そういうものなの?
気になったのは重低音。コントラバスが音程リズムとも微妙に揃っていなかったり、トロンボーン&ホルンのフレーズ頂点のタイミングがおかしかったりと、ブルックナーではもっとも重要なパートを担当しているのに、もう少し冷静にプレーしてくれよといいたくなりましたわ。

終演後は観客の熱狂とそれにこたえる指揮者大植さんのパフォーマンスタイム。長いのなんのって、ゆうに1楽章分ぐらいあったんじゃないでしょうか。ああこれは一つの宗教なのかなと眺めておりました。そこまで騒ぐほどブルックナーが良かったようには思えませんでしたが、モーツァルトが良かったのでまあいいかという気分。

いつものごとく、忘れた頃になって楽屋口から出てきた師匠と軽く雑談したのち、帰宅。


 

2008年5月28日

がっかり

年1回の健康診断。謀られたかのようなマニアックメンバーと
健診後は心斎橋の某イタリア料理店にてランチコースを堪能。
鶏肉のつけあわせのアンディーブの苦味が印象的でした。
帰り道は「(恋愛)投了後の反省タイム実践」について盛り上がり。

仕事する気が起きぬままに、なんとなく定時を迎えた後
日程を勘違いして諦めかけていた「ラ・プティットバンド」の
コンサートを聴きに行くべく、いずみホールへ。

あまり体調が良くなくて、序盤の無伴奏チェロ組曲1番では
座席で軽く発作を起こしてしまい、冷や汗をかきましたが
そんな状態を差し置いても、なんですかこれはという演奏。
楽器は「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ」という肩掛けチェロだったのですが
メロディーは切れるしピッチもおかしい。これがあのクイケンさんですか・・・。

メインプログラムの「四季(ヴィヴァルディ)」は
クイケンさんがなにやら挑発的なことを仰っていた記事を目にしていたので
期待していたのですが、ソロVn(クイケンJr.嬢?)が下手すぎて話にならず。
あまり意識してませんでしたが四季のソロって難しかったんですねえ。
高弦のアンサンブルには「おおっ」と思わせるものがあっただけに、
問題部分がよりいっそう目立ちまくり、終盤は頭を抱えてしまいました。
これが初めての古楽器だったら偏見を抱いちゃうだろうなあ。

ああもう本当に残念。
だってこんな実力の人じゃないはずですし。

さて、来月からはベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏会シリーズ開始。
ウィーン、ハーゲン、ゲヴァントハウスは外せません。
このクラングフォルム・ベルリンてのも気になりますね。
ウェーバーじゃなくてブラームスのクラ5だったら絶対行くんだけどなあ。

秋に向けて情報収集しなくちゃ・・・と、その前に楽器の蓋を開けなきゃ。

 

2007年1月28日

生観戦が遠のく

合宿二日目の本日は客演指揮者さんとの初合わせ。
風貌がちょっと「きたろう」に似ておられましたが
なんっつか淡々と、そして理論的に指導される先生でした。
良くも悪くもpassion系ではないウチのオケには合っているかも。
フレーズの捉え方や楽譜構造から読み取るテンポの速め方・緩め方
アクセントの意味合いなどなど、いろいろと勉強になりました。

というわけで、最初のショスタコーヴィチは割合サクサクと進んだんですが
お次のヒンデミット(「高貴な幻想」)の出来がたいへん悪くて、
「同じオケとは思えない」とまで言われてしまいました。

メロディが頭に入りやすく、ノリやすいショスタコに比べると
ヒンデミットは譜面が少しややこしいですからねえ。
それでも他作品よりは分かりやすい曲だと思うんですが
オケの真価を問われる曲作りとなりそうです。
よりにもよって、面倒なトップ引き受けちゃったなあ。

バルトークはやっぱ民謡っすね。
お堅いオケがどこまで音楽をまわせるか。
譜面はそんなに難しくないので、歌心と遊び心だな。

いずれにせよ、ちょいと締め直して頑張らんと・・・ってな具合です。

 

2006年12月 7日

りーべらめー

コンビニでキリンラガー復刻版を見つけましたので即購入
明治→大正へと飲み継いでみましたが、やっぱり平成がいいね。

さてさて、本日は大阪フィル定演を聴きに行くべく
ひっさしぶりーにシンフォニーホールへ行ってきました。

しばらくオケ生活やクラシック生鑑賞から離れている間に
朝比奈さんが亡くなられ、指揮者が大植さんに代わったり
コンマスが岡田先生から超若手の長原さんに代わったりと
よくわからない内に人気オケに変貌している(らしい)大フィル。
チケット完売で、なんとか入手できたのは急遽売り出されたオルガン席でした。

相変わらずタルそーに舞台に出てくる(チェロの)師匠を眺めながら
後ろというのは弦楽器の動きを見るにはいいんじゃないかと
内心ホクホクしていますと、大フィル合唱団がぞろぞろと登場。
目の前1メートル位置に壁が出来てしまいました(ちっ)

というわけで、やたら克明にバスが聴こえる妙な位置でしたけど
合唱団の合間からオケや指揮者の表情(!)も見えましたし
出番がないときは合唱団が座ってくれましたので
いろいろと堪能することができて面白かったです。

フォーレではなくヴェルディのレクイエムだと気付いたのが
会場に着く直前だったほどに、曲への思い入れはなかったのですが
終曲の「Libera me」にはヤられました。

基音D(かな?)の和音ひとつひとつがグサリグサリと響いて
歌詞とか全然分かんないのに涙腺直撃ですよ。
声っていう楽器も凄けりゃ、和音っていう武器もすごいなあ。
シンプルに感動しました。
明日CD買おう。

*****

初見の大植さん指揮をハカらずも奏者位置から見ることができまして
そうですね、誠実な棒を振る人だなあという印象でした。
プロの目からの視点については、今度師匠に聞いてみましょう。
妙に腕が短いなと思ったら、大植さんて意外と小さい人だったんですね。
アップの写真で大きな人なのかと思い込んでましたよ。

大フィルは弦楽器がレベルアップした印象でした。
どうなんでしょう、新陳代謝が進んだのかなあ。
師匠のフィンガリングとボーイングに釘付けでしたんで
トップの秋津さんの凄さはよく分からず。
こちらも今度会ったら聞いておくことと(メモ)。

管楽器は以前のメンバーとほぼ変わらずで
フルートの榎田さんやトランペットの秋月さんはさすがの演奏。
金管地帯で時々和音のズレが発生していたような気もしますが
基本的に管打楽器はあまり見聞きしてないんで確証はなし。

合唱団は上を見ればキリがないのかもしれませんが良かったです。
じゃあ素直にホメろよ、と言われそうですが、えぇまぁ。
ただ、それより上手いはずのソリスト4人がねえ。
席が後ろ位置だったことを差し引いてもイマイチでした。
具体的には・・・全体的に。

*****

終演後、雨がざーざー降る中を楽屋口にて師匠の出待ち。
いつも何してるんだか?というほど、出て来られるのが遅いんですが
本日も例外ではなく「もしかしたら別の出口から?」と不安になる頃
ようやっと出てこられました。

「久しぶりやないかー。ぜんぜん変わらないねえ」
「えぇ、先生も変わりませんねえ」
「今度ゆっくり話そうや。楽器なしで」
「あーできれば楽器つきで、ひとつ」

ってな会話を慌しくこなして無事帰宅。

本日購入したバルトーク「ハンガリアンスケッチ」CDですが
なんたること、まったく同じものが家にありましたよ。
うわーショック。

誰か欲しい人にあげます。
バルトーク「管弦楽のための協奏曲」ライナー指揮シカゴ響

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